埼玉新聞

 

東武東上線の坂戸駅、合格願う鳥居が登場 行先は「志望校」、切符模したカードで駅員ら受験生にエール

  • 栁利彰駅長(右)と受験生を励ます鳥居などを中心になって作った駅員の中村加津基さん=22日、坂戸市日の出町の坂戸駅

  • 裏面に受験生へのエールが印刷された切符サイズのメッセージカード

 県内公立高校の入学試験が24、25日に行われ、受験シーズンは正念場を迎える。人生の関門に挑む受験生を励まそうと、坂戸市日の出町の東武東上線坂戸駅(栁利彰駅長)には、駅員ら手作りの鳥居が登場。ホワイトボードには切符サイズのメッセージカードが貼り付けられ、自由に持ち帰ることができる。

 東武東上線と東武越生線の計22駅が所属する坂戸駅管区の各駅では、駅員が季節や行事にちなんだ飾り付けを行い、利用客を迎えている。合格を願う坂戸駅の鳥居は、1月14日から改札内にお目見えした。3月15日まで置く予定。

 1日約2万4千人が利用する坂戸駅は、周辺に複数の大学や高校があり、学生の乗客が多い。駅員たちが案を出し合い、入社6年目の中村加津基さん(24)が中心になって年明けから準備。今回、初めて製作した鳥居は、木のような質感を出すためウレタン製の住宅用断熱材で作った。中村さんは「たくさんの受験生も坂戸駅を利用すると思ったので、合格祈願の気持ちを表現したかった」と話す。

 表面に「合格券」と印刷され、切符を模したメッセージカードの行き先は「志望校」。裏面には駅員たちが考えた「『ふーっはーっ』深呼吸しよう」「目指せアオハル!」など12種類の言葉を添えた。500枚ほどを配布し、250枚を追加印刷。出張で訪れてカードを手に入れた広島市の会社員女性(48)は「高校3年生の長男が週末に国立大学の入試を控えている。親は祈ることしかできないので、カードをもらってあやかりたい」と大事そうに持ち帰った。

 中村さんは、自身の受験生時代を思い出しつつ企画したという。「受験は人生の大きな第一歩。コロナ下で苦労したでしょうが、努力の成果を発揮して夢をかなえてください」とエールを送った。

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