東武東上線の坂戸駅、合格願う鳥居が登場 行先は「志望校」、切符模したカードで駅員ら受験生にエール
2022/02/23/00:00
県内公立高校の入学試験が24、25日に行われ、受験シーズンは正念場を迎える。人生の関門に挑む受験生を励まそうと、坂戸市日の出町の東武東上線坂戸駅(栁利彰駅長)には、駅員ら手作りの鳥居が登場。ホワイトボードには切符サイズのメッセージカードが貼り付けられ、自由に持ち帰ることができる。
東武東上線と東武越生線の計22駅が所属する坂戸駅管区の各駅では、駅員が季節や行事にちなんだ飾り付けを行い、利用客を迎えている。合格を願う坂戸駅の鳥居は、1月14日から改札内にお目見えした。3月15日まで置く予定。
1日約2万4千人が利用する坂戸駅は、周辺に複数の大学や高校があり、学生の乗客が多い。駅員たちが案を出し合い、入社6年目の中村加津基さん(24)が中心になって年明けから準備。今回、初めて製作した鳥居は、木のような質感を出すためウレタン製の住宅用断熱材で作った。中村さんは「たくさんの受験生も坂戸駅を利用すると思ったので、合格祈願の気持ちを表現したかった」と話す。
表面に「合格券」と印刷され、切符を模したメッセージカードの行き先は「志望校」。裏面には駅員たちが考えた「『ふーっはーっ』深呼吸しよう」「目指せアオハル!」など12種類の言葉を添えた。500枚ほどを配布し、250枚を追加印刷。出張で訪れてカードを手に入れた広島市の会社員女性(48)は「高校3年生の長男が週末に国立大学の入試を控えている。親は祈ることしかできないので、カードをもらってあやかりたい」と大事そうに持ち帰った。
中村さんは、自身の受験生時代を思い出しつつ企画したという。「受験は人生の大きな第一歩。コロナ下で苦労したでしょうが、努力の成果を発揮して夢をかなえてください」とエールを送った。