J1浦和サポにぎわう酒蔵力、槙野選手まさかの“恩返し弾”で店内一瞬静まり「うわ~」「まじか」
サッカーJ1の浦和は23日、神戸と対戦し、2対2で引き分け、リーグ戦初白星とはならなかった。浦和のサポーターが集まるさいたま市浦和区仲町の「酒蔵力 浦和本店」では、ホーム開幕戦を見届けようとサポーターが集まり応援。ガッツポーズをするなどして得点の喜びを分かち合った。
両チームで計4点が入る激しい試合を店内で見ていたサポーターたちは、喜びと落胆の両方を味わった。
約17年間にわたって浦和を応援している会社員男性(66)は試合前、「若手が多いので、頑張ってほしい。勝ち点3を」と期待。昨季まで浦和に所属し、今季から神戸でプレーする槙野智章選手については「1番好きだった選手」と複雑な心境を見せ、「恩返し弾だけはやめてほしい」と話していた。
浦和は前半、神戸の武藤嘉紀選手のシュートで先制点を許すも、直後に松崎快選手と柴戸海選手のゴールで勝ち越し。テレビで試合を観戦していたサポーターたちはガッツポーズしたりハイタッチを交わすなどして喜びを爆発させた。
しかし後半、浦和の選手1人が退場し10人になると、押し込まれる展開が続く。店内からは「何とか耐えてくれ」と勝利を願う声も聞こえたが、槙野選手の頭で同点に。店内は一瞬静まり、「うわ~」「まじか」と落胆の声が聞こえた。
会社員山岸雄太さん(31)は柴戸選手のユニホーム姿で応援。「若手が頑張っていて、特に柴戸が良かった」と試合を振り返るが、「勝てる試合だったので残念。1人いなくなったのが痛かった」と悔しさをにじませた。
山岸さんの友人で会社員西山泰正さん(31)は槙野選手のゴールについて「何で今日なの」と思いを口にしたが、「やっぱり、持っているなと思った」と称賛した。
仕事帰りに店に駆け付けたという会社員安田利美さん(74)は「点が多く入り、面白い試合だった。(退場者が出たが)勝ち点1を取れたのは良かった」と分析。「今年はACL(アジア・チャンピオンズリーグ)もあって忙しい。長い1年が始まった」と笑顔を見せた。
同店の今井俊博店長は「多くの制限があるが、レッズが勝利し笑顔でスタジアムからの帰りに(店に)寄ってもらえれば」と話した。