埼玉新聞

 

水道代を値上げへ…埼玉・朝霞市、管老朽化で10%前後 24年ぶりの料金改定 負担軽減措置も

  • 朝霞市、水道料金値上げへ 管老朽化で10%前後

 朝霞市は、水道管など老朽化した施設の更新事業を推進するため、水道料金と水道利用加入金を引き上げる料金改定を実施する。改定により、4人家族世帯の使用料は約9~10%アップし、使用料と加入金の年間収益は計約2億2千万円の増加を見込んでいる。水道事業給水条例の一部改正案を22日開会の3月議会に提案しており、可決されれば、10月から施行される。市の水道使用料の改定は1998年以来、24年ぶり。同市によると、県内の自治体では川口市と熊谷市が2020年度、老朽管の更新などを理由に水道料金を改定しているという。

 条例改正案によると、水道料金の基本料金(税別2カ月分)は口径13ミリ800円を900円、同20ミリ1300円を1400円、同25ミリ以上は8段階で400円~46800円引き上げる。従量割料金は20立方メートルまで1立方メートル当たり55円から60円、21立方メートルから40立方メートルまでは同90円から100円に改定する。

 市内の一般家庭契約は口径13ミリと同20ミリが全体の98%を占めており、このうち半数を超える同20ミリの4人家族世帯の水道料金は、2カ月で50立方メートルを使用した場合、税別5400円が約9・3%増の5900円にアップする。

 ただ、利用者の負担軽減措置として、全利用者(約6万9千戸)を対象に条例施行後の半年間、増額分の2分の1を減額する。生活保護と児童扶養手当の受給世帯(計約2千世帯)に対して、受給期間中は21立方メートル以上の使用でも1立方メートル当たり60円(改正後は100円以上)に減額する。

 市は「高度成長期に整備された施設の老朽化を迎え、計画的な更新が喫緊の課題。これまでは借金で財源を補っており、このままの経営を続けると、20年度に48億円だった企業債は32年度に78億円に膨れ上がる。次世代の負担軽減と財政収支の均衡を保ちたい」と理解を求めている。

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