埼玉新聞

 

深夜、線路脇に人影…行方不明の女性、線路に迷い込む 走行中の運転士が発見、停車し電車に乗せて保護

  • 小川英規署長(左)から感謝状を贈呈された大野憲一さん=川越署

 線路に迷い込んだ行方不明の高齢女性を、運転していた電車の運転席から発見して保護したとして、川越署(小川英規署長)は、JR東日本の運転士大野憲一さん(44)に感謝状を贈呈した。

 同署などによると、大野さんは2月2日午後11時10分ごろ、新木場発川越行き下り普通電車(10両編成)を運転中、川越駅近くの同市新宿町2丁目のJR川越線敷地内前方に人影を見つけ、非常ブレーキをかけて停車させた。大野さんは線路の左脇を歩いていた市内に住む80代女性を呼び止め、電車に乗せて保護。最寄りの川越駅で、駅員を通じて同署員に引き渡した。女性は夫から行方不明の届け出があり、同署員らが捜索していたという。

 運転士歴18年目の大野さんは「いつ何があるか分からないから、すぐに停止できるような心構えで運転している。女性にけががなく保護することができてうれしい」と振り返る。小川署長は「女性の命に関わる事故が起きる危険もあったので、気転を利かせて助けていただき感謝している。今後も安全の確保へ連携を図っていければ」と話していた。

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