埼玉新聞

 

燃え盛る産屋とたいまつ行列…古事記の神話を再現、行田でさきたま火祭り 幻想的な光景、見物客ら魅了

  • 産屋を炎上させたニニギノミコト(左)とコノハナサクヤヒメ=4日夜、行田市埼玉のさきたま古墳公園

 燃え盛る炎の中、命懸けで不義の疑いを晴らす古事記の神話を再現した「さきたま火祭り」(同実行委員会主催)が4日、行田市埼玉のさきたま古墳公園で行われた。

 ニニギノミコトと結婚したコノハナサクヤヒメは一夜の交わりで身ごもり、夫に疑われてしまう。そこで「神の子ならば、火の中でも無事に生まれるはず」と火を放った産屋の中で出産し、身の潔白を証明した。この神話をモチーフに県名発祥の地を盛り上げようと、地元住民らが火祭りを開催。今年で34回目を迎える。

 夕闇に包まれた午後7時すぎ、「輦台(れんだい)」に乗って登場したニニギノミコトとコノハナサクヤヒメが、わらの産屋に火を放った。夜空を焦がす炎を目指し、丸墓山と稲荷山の両古墳から下りてきた「たいまつ行列」が合流。古代の里を舞台に幻想的な光景が浮かび上がり、大勢の見物客が酔いしれた。

ツイート シェア シェア