母と妻に涙、地元市民らも歓喜 北京パラ・村岡選手が3日連続のメダル、市川選手は5位「まだ頑張って」
北京冬季パラリンピックのアルペンスキー女子座位で埼玉県深谷市出身の村岡桃佳選手(25)=トヨタ自動車、正智深谷高出=が7日、スーパー複合で銀メダルを獲得した。3日連続のメダルとなり、市役所でスティックバルーンを持って応援していた市民などからも喜びの声が聞かれた。
スーパー複合はスーパー大回転と回転の合計タイムで競う種目。当初は8日に開催予定だったが、気温が上昇する可能性があり、コース状態の悪化が懸念されるため、7日に前倒しされた。
村岡選手は前半のスーパー大回転でトップとなった。村岡選手の母の操さん(50)は「今大会はすごい攻めているので、とにかく転ばないで戻ってきてほしい」と語った。後半の回転では安定した滑りを披露したものの、逆転されて銀メダルを手にした。
市役所を偶然訪れ、応援に加わった70~80代の女性3人組は「すごい傾斜の坂だったけど、よく頑張ってくれた。村岡桃佳選手は応援のしがいがある」と語った。市役所で応援していた同市の笠原活次さん(75)も「回転種目は苦手みたいだったけど、2位でよかったと思う。金メダルを二つ取っただけでもすごいが、まだ2種目残っているので、頑張ってほしい」とエールを送っていた。
■一番カッコいい瞬間見られた/寄居町役場
北京冬季パラリンピックで寄居町出身の市川貴仁選手(30)が7日、スノーボードクロス(下肢障害)で5位入賞した。パラリンピック初出場で健闘した市川選手の妻美貴さん(29)も「本当にうれしい」と喜んだ。
町役場では、市川選手の活躍を家族や同級生などが見守った。ビデオ判定で準決勝に進出が分かると美貴さんと母静子さん(65)の目からは涙が。周囲の期待を背負って準決勝に臨んだ市川選手。前を滑る選手の転倒をよけ切れず自身も転倒すると、観戦していた人たちからは「えっー」と驚きの声が上がった。順位決定戦で5位が決まると立ち上がって喜ぶ人も。スティックバルーンをたたく音がいつまでも鳴り響いた。
市川選手はコロナ禍で独りで生活することも多かったという。美貴さんは「我慢もしてきたので、それが報われて良かったです」とほほ笑んだ。静子さんも「次に向けてまだまだ挑戦をしてほしい」とエールを送った。同級生の会社員、高橋優さん(30)も「人生で一番カッコいい瞬間が見られた。バンクドスラロームでは金メダルを取ってほしい」と話した。