埼玉新聞

 

JR川口駅に化学剤…何者かがホームに液体、10人ほど倒れる 埼玉・川口でテロ対策訓練、ホームやコンコースを使用 JR東日本、川口市消防局など140人 県警の特殊部隊「NBC対策部隊」も参加

  • 訓練では、化学剤で倒れた客を消防隊員が救出した

    訓練では、化学剤で倒れた客を消防隊員が救出した=19日、川口市のJR川口駅

  • 訓練では、化学剤で倒れた客を消防隊員が救出した

 川口署などは19日、化学剤散布事案を想定したテロ対策訓練を川口市のJR川口駅で実施した。化学剤がまかれてから通報、検体採取、救護までの一連の流れを確かめた。

 訓練は同駅のホームやコンコースを使用して行われ、県警やJR東日本、川口市消防局など約140人が参加した。核物質や生物剤、化学剤を使用した事案に対処する県警の特殊部隊「NBC対策部隊」も参加した。

 想定は何者かが駅のホームに液体をまいて、ホーム上に10人ほどが倒れているというもの。目撃者が駅員に状況を話し、駅員が110番。防護服を着た消防隊員が到着し、要救助者を運び出した。NBC対策部隊はホーム上に散布された液体の採取、除染を行った。

 要救助者を駅のコンコースに設置されたテントに運び出し、病気の重症度に応じて処置の優先順位をつけるトリアージが行われた。駅構内には「お客さまは風上に向かって動いてください」とアナウンスが流れた。

 ほかにも刃物を持った不審者対策訓練を改札前で実施。駅員は刺股や盾で身を守り、駆け付けた警察官が不審者を取り押さえた。

 訓練を終え、同駅の葭葉智昭駅長は「訓練をすることで市民に安心感を与えられたはず。迅速で柔軟な対応をしていきたい」。川口署の石井堅次署長は「訓練は積み重ねが大切。発生したときには一人の負傷者も出さないように対応したい」と話していた。

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