「スタミナすき焼きうどん」を生み出したのは埼玉・滑川中の生徒ら ほかにも地元のために34事業所と連携
滑川町立滑川中学校(八木原利幸校長)の2年生185人が、町内34事業所とタイアップし、遊具やポスターの作製、新メニューの開発などに取り組み“まちおこし”に一役買った。コロナ禍で事業所訪問ができない中の新しい試みで、生徒たちは「最高の経験ができた」と自信を深めたようだ。
同校ではこれまで、2年生が「社会体験チャレンジ」と称し、各事業所で3日間「働く」という経験を通し、社会性や自立心を養ってきた。しかし、この2年間、新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止を余儀なくされた。
そこで考え出したのが「NАMEGАWАドリームプロジェクト」。5、6人の生徒がチームとなって、担当事業所へ電話連絡、事業者からの要望を受け、一人一人が提案資料を作成、各チームで話し合って提案内容を決めた。全員で試行錯誤を繰り返し“要望の製品”を仕上げ、各事業所へ“納品”した。
例えば、保育園チームは園児の室内遊具を製作。園児が誤飲したり負傷しないよう大きさや素材から工夫した。森林公園駅とつきのわ駅に掲示した観光ポスターは中学生ならではの情報を入れ、コンビニエンスストアのポスターには中学生が薦める商品の紹介や情報を盛り込んだ。
ネイルサロンでは卒業・入学式に出席する保護者向けのネイルをデザイン。飲食店「麦の香」では地元の旬の野菜を使った「スタミナすき焼きうどん」を考案、期間限定で店のメニューに入れた。
3日午後、「麦の香」には担当の生徒らが訪れ、代表の根岸剣太郎さんにお礼の手紙を渡し、試食した。手紙には「最高の経験ができました」「アレンジして、おいしく仕上げていただきうれしかったです」などと、生徒たちの感謝の思いがつづられていた。
根岸さんは「生徒の考案したメニューは新鮮で、絵もうまく作りやすかった。中学生の意見を聞く機会はないので良かった」と話していた。