埼玉新聞

 

秩父鉄道、「Suica」など交通系ICカードのサービス導入 埼玉県内の全鉄道、カード1枚で乗車可能に

  • 交通系ICカードが導入された改札=12日午前、熊谷市の秩父鉄道熊谷駅

 秩父鉄道(本社・熊谷市)は12日から、利用客の利便性向上や感染症対策の向上を目的に、交通系ICカードのサービスを全37駅で導入した。利用できる交通系ICカードは「PASMO」や「Suica」などの10種類で、県内の全鉄道がカード1枚で乗車できるようになった。

 同日からPASMO定期券、記名PASMOカード、無記名PASMOカードの販売が開始され、羽生、熊谷、武川、ふかや花園、寄居、長瀞、秩父、御花畑駅で対応する。対応駅と影森、三峰口駅以外の27駅は11日で窓口営業を終了し、全体の約7割が駅員不在の無人駅となった。今後は係員が定期的に見回りを行う。

 熊谷駅で記念セレモニーが行われ、同社の大谷隆男社長は「利便性が向上したので、沿線に来てもらえれば」と語った。大谷社長、石田克己熊谷駅務区長兼熊谷駅長、「第15回『私とみんてつ』小学生新聞コンクール」で金賞の日本民営鉄道協会会長賞を受賞した市立成田小学校4年生の山下千夜さん(10)がくす玉を開花。特別ヘッドマークを掲出のフルラッピングトレイン「彩色兼備」も出発した。

 普段から通学で秩父鉄道を利用しているという行田市の高校2年生の林奈々葉さん(17)は「便利になるので、紙の定期の期限が来たらカードに切り替えたい」と話した。

 同日からは交通系ICカード導入を記念し、「急行秩父路」の急行料金を無料化。急行列車の乗車には乗車券のほかに急行料金(大人210円、小児110円)が必要だったが、当分の間は乗車券のみで利用できるようになった。

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