本庄市の自宅床下に5歳男児の遺体を埋めたとして母親ら男女3人が逮捕された事件で、本庄署特別捜査班は26日、男児を投げ飛ばすなどの暴行を加えて死なせたとして、傷害致死の疑いで、本庄市本庄3丁目、派遣社員の母親（30）と、同居する無職の男（34）、無職の女（54）＝いずれも死体遺棄容疑で逮捕＝の3人を再逮捕した。県警は3人が暴行に及んだ経緯などを調べる。

　再逮捕容疑は、1月18日、共謀の上、自宅1階の和室で母親の長男（5）を、床に複数回投げ飛ばすなどの暴行を加え、頭部に強い衝撃を与えて死亡させた疑い。県警は共犯事件で捜査に支障があるとして、3人の認否を明らかにしていない。

　捜査1課によると、死因は後頭部の打撲による脳幹損傷で、後頭部を床にたたきつけられたことが致命傷となった。犯行当時、3人とも在宅していて、供述などから3人の共犯と認定した。凶器はなかったという。翌19日に遺体を床下に遺棄したとみられている。

　34歳男、54歳女は内縁関係にあり、2人が住む借家に昨年1月ごろに母親と長男が移り、同居を始めたとみられる。住宅の契約者は54歳女だった。

　今月2日、本庄市役所から本庄署に「母子家庭の子どもの安否が確認できない」と相談があり、県警は事件を認知。同5日、市内の自宅の床下の土の中に長男の遺体を埋めたとして、死体遺棄の疑いで母親ら3人を逮捕した。捜査関係者によると、逮捕当時いずれも「3人で穴を掘って埋めたことは間違いない」と容疑を認めている。

　長男が通っていた保育園によると、最終登園日は1月12日。市によると、母親は遺体を埋めたとみられる翌日の同20日に市役所を訪れ、保育園の退園手続きを行い、この日や2月8日に市に対して「長男は大阪の実家で元気に生活している」などと、虚偽の説明をしていた。