埼玉新聞

 

舞台「消失」出演、入野自由インタビュー「謎解きのわくわく感を楽しんで」

  •  「ケラさんがどこを面白がって書いているか考えながら台本を読み解いている」と話す入野自由

     「ケラさんがどこを面白がって書いているか考えながら台本を読み解いている」と話す入野自由

  •  「ケラさんがどこを面白がって書いているか考えながら台本を読み解いている」と話す入野自由
  •  舞台「消失」のメインビジュアル

 俳優、声優としてマルチに活躍する入野自由が、1月18日開幕の舞台「消失」に出演する。楽しいクリスマスを祝うはずだった兄弟と、その家に集まった人々の誤解や善意のすれ違いが悲劇を生むダークなコメディー。「せりふにちりばめられた違和感がつながって、物語の全貌が見えてくる。謎解きのわくわく感を楽しんでほしい」と話す。

 ケラリーノ・サンドロヴィッチの戯曲をさまざまな演出家の手で上演するプロジェクト「KERA CROSS」の第6弾。今回は河原雅彦が演出を担い、兄弟の兄チャズを藤井隆、弟スタンリーを入野が演じる。

 藤井との兄弟役は「芸人さんとしても大好きな方。共演できてうれしい」。子どもの頃、友人らから「(藤井に)似ている」と言われたことがあるといい「並んだだけで兄弟と分かる空気感がつくれたら」と意気込む。

 河原からは「常に相手のことを考えて演じる」ことを求められているという。台本に書かれたことを、ただ順番通りにこなすのではなく「目の前で起こったことにきちんと反応して、相手の反応を引き出すようなお芝居をする。そこに実感が生まれるんだと思います」

 4歳から児童劇団で活動し、ジブリ映画「千と千尋の神隠し」のハク役で声優としてブレーク。順調にキャリアを重ねていたが、高校卒業後「このままだと、どこかで表現力が頭打ちになると感じた」。芸能界に入るきっかけとなった演劇に本格的に取り組み、一から演技を磨き直した。

 舞台上で全身を使って表現する演劇を通じて「声に全てを乗せる声優とは、また違ったお芝居の軸ができた」。今後も俳優、声優の両面で新しい挑戦ができるように「体をいたわりながら、自分自身と向き合っていきたい」と抱負を語った。

※舞台「消失」の公演日程は次の通り。1月18日~2月2日東京・紀伊国屋サザンシアターTAKASHIMAYA、6、7日大阪・サンケイホールブリーゼ

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