埼玉新聞

 

閉校へ…悲しいけど感動ドローンショーでどよめき「おー!」 埼玉・小川の東小川小、夜空に「ひがしっ子」

  • ドローン64機で夜空に描かれた花=25日午後7時すぎ、小川町東小川2丁目の東小川小学校

  • ドローン64機で夜空に描かれた、児童が肩を組むシルエット=25日午後7時すぎ、小川町東小川2丁目の東小川小学校

 今月末で閉校する小川町立東小川小学校(須郷聖子校長、児童数65人)で25日夜、「光の思い出ドローンショー」が行われた。児童とNTTドコモが共同で取り組んだ同校最後のイベント。64機の小型無人機ドローンを駆使して、児童の思いを文字やイラストで夜空に描いた。児童、教職員、父母らは「世界で一つ、最高の思い出になった」と感動していた。

 コロナ禍で、運動会や「ひがしっ子祭り」などの恒例行事の多くが実施断念を余儀なくされた。その中で、閉校前に「特別な思い出をつくれないか」と模索していたところ、同社からドローンショーの企画が持ち込まれた。

 ショーの内容は学校の特徴や好きなところ、楽しかった思い出などについて、全校児童で話し合い、その意見を基に考案され、児童がショーのナレーションなどを担当した。

 当日は最後の修了式。児童はいったん帰宅し、午後6時すぎから父母らと再登校、校舎3階のベランダに陣取った。ショーは午後7時から始まった。校庭に光を点滅しながら64機のドローンが登場、勢ぞろいすると、子どもたちの中から「オー」と、どよめきが起こった。

 この後、愛称の「ひがしっ子」の文字を皮切りに、児童同士の仲の良さを表現した「肩を組むシルエット」、周囲の自然環境や児童の優しさを表現した「花」や「ハート」、未来への羽ばたきを表現した「国チョウオオムラサキ」のイラストなどが描かれ、最後に「ありがとう」の感謝の文字で終了した。

 6年生の佐藤静空さんは「さまざまな思いが浮かびました。閉校は悲しいですが、この思い出を大切に中学校に進学しても頑張ります」、同じく6年生の高橋匠さんは「みんなで取り組んできて少し不安もあったが、ドローンがきれいで楽しく、感動した。こんな機会は一生に一度しかない。最後に皆と思い出に残ることができて良かった」と笑顔を見せた。

 須郷校長は「(ナレーションの)児童全員の声が夜空に響き渡り感動した。全員で作り上げた世界で一つ、最高の壮大なショーでした。いつまでも『ひがしっ子』のことを忘れられないですね」と話していた。

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