埼玉新聞

 

28年半の歴史に幕…「トイザらス・ベビーザらス岩槻店」あす13日に閉店 「実際に手に取って選ぶ楽しさは格別」「なくなるのは悲しい」親子3代で通った客も 全国でも希少な単独店舗だった 閉店の理由は

  • 全国でも数少ない単独店舗の一つだった「トイザらス岩槻店」=10日、さいたま市岩槻区

    全国でも数少ない単独店舗の一つだった「トイザらス岩槻店」=10日、さいたま市岩槻区

  • 全国でも数少ない単独店舗の一つだった「トイザらス岩槻店」=10日、さいたま市岩槻区
  • 「笑顔でお待ちしております」と話す岡田店長(中央)らスタッフ
  • おもちゃ選びに夢中な親子連れ
  • スタッフはオリジナルTシャツを着用して最終日を迎える
  • アメリカンテイストなタッチで描かれた同社マスコットキャラクター「ジェフリー」の壁画

 子どもたちの誕生日やクリスマスなど特別な日のプレゼントや、おむつなど日用品の購入で長年地域住民らに親しまれてきた、さいたま市岩槻区の「トイザらス・ベビーザらス岩槻店」が、13日の営業をもって閉店する。約28年半の歴史に幕を下ろす。おもちゃの宝庫としてたくさんの子どもたちに笑顔を与えてきた“地域の顔”も近年の購買行動の変化もあり、やむなく閉店。利用者からは「子ども用品が何でもそろうお店だったので不便になる」「親子3代で通ったので悲しい」などの声が聞かれた。

 同店は1996年8月24日に開店した。観光客でにぎわう岩槻城址公園そばの国道16号線「城町二丁目交差点」近くに立地し、地域のランドマーク(目印)として多くの買い物客でにぎわってきた。

 玩具や子ども用品を取り扱う「トイザらス」に加え、昨年4月からはマタニティー・ベビー用品の「ベビーザらス」を併設。同社によると今回、不動産オーナーとの賃貸契約満了に伴い、閉店が決定した。インターネット販売の急増や大型ショッピングセンターへの出店戦略移行もあり、幹線道路沿いの「フリースタンディング(単独)店舗」は神奈川県厚木市の厚木店(昨年1月21日閉店)と共に全国でも希少な存在だという。

 岡田歩店長(48)は、閉店を明るく笑顔で終わろうと、スタッフおそろいの記念Tシャツを用意。「約30年間、数え切れないほど多くのお客さまにご愛顧いただき感謝している。最後の最後までスタッフ一同心を込めてお迎えしたい」と笑顔。

 春日部市在住の50代主婦は「子どもの頃から親子3代で通った店がなくなるのは悲しい。ネット販売も利用するが、実際に手に取って選ぶ楽しさは格別」と話す。1歳の誕生日を迎える隣家の子ども用にクマのぬいぐるみを購入した岩槻区の70代夫婦は「孫用のおもちゃやおむつなど日用品がそろう店が近所からなくなるのは不便」と名残惜しそうだった。

 営業もあす13日が最終日。13日の「成人の日」に店を卒業する岡田店長は「越谷や川口などスタッフの多くは近隣店舗に移るので、そこでまた皆さまとお会いできることを楽しみにしている。岩槻店には約30年前の開店当時に描かれたジェフリー(同社マスコットキャラクター)の壁画など他ではなかなかお目にかかれないデザインが残っているので、それだけでも見に来ていただければ」と呼びかけた。

 米国発祥の玩具量販店「トイザらス」は91年12月に国内第1号店を茨城県阿見町にオープン。現在、全国で約160店舗、県内9店舗が営業している。

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