埼玉新聞

 

めったにない!強い雨に打たれながら豊作祈願 埼玉・秩父の神社で御田植祭 恵みの雨、今年の豊作を期待

  • 田打ちの所作をする神部たち=4日午後4時ごろ、秩父市番場町の秩父神社

 境内を神田に見立て、代かきや田植えなどの田仕事を行う神事「御田植祭」(県指定無形民俗文化財)が4日、秩父市番場町の秩父神社で開かれ、今秋の豊作を祈願した。

 神官たちは、秩父神社から約1キロ離れた今宮神社(同市中町)で、水を分けてもらう「水分(みくまり)神事」を実施。秩父神社に戻ると、神田に見立てた境内の参道に水が引かれたことになる。

 強い雨が降りしきる中、白装束にかさをかぶった18人の神部(かんべ)は、くわに見立てた曲がった竹を手に、「一本植えれば千本になる。神のみたまのみ年の苗」などと田植え唄に合わせ、苗代づくりから田植えの所作を力強く、ユーモラスに演じた。

 先導役を担った、作家老の浅見弘さん(83)は「雨に打たれながら所作をするのはめったにないこと。恵みの雨と捉え、今年の豊作を期待したい」と話していた。

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