埼玉新聞

 

みんなが笑えるといい 埼玉・戸田市長に障害児の家族らが要望、障害の有無問わず「楽しく過ごせる公園を」

  • 菅原文仁市長(中央)を囲んで心身しょうがい児・者を守る会の人たち=3月25日、戸田市

 「皆が楽しめる公園を」と、障害のある子らの保護者でつくる市民団体「戸田市心身しょうがい児・者を守る親の会」(柴崎五佐男会長)は3月25日、戸田市役所で菅原文仁市長に「障害があってもなくても共に楽しく過ごせる公園づくりを進めてほしい」とする要望書を手渡した。菅原市長は「地域を巻き込んだ公園づくりを進めていきたい」と応えた。

 要望書では、障害の有無を問わず誰もが楽しめるインクルーシブ公園や、多くの人が利用できるユニバーサルデザインの遊具を整備した公園づくりを進める際のワークショップでは、障害がある当事者や保護者の声を反映するよう求めた。また、「事情があり参加できず意見を上げられない市民の声を配慮していただきたい」としている。

 菅原市長との懇談で、今春から特別支援学校の高等部へ進学する息子の母親は「障害のある子もそうでない子も、みんながワーッとやって来て楽しく笑える公園があるといい。あそこへ行きたいなって、大きくなっても思う、そんな公園があったらいい」と切実な思いを語った。

 ダウン症の中学生の息子がいる母は「(息子は)小さいころから公園が大好き。健常者の子やお年寄りも、幅広い人たちが集まって楽しく過ごせる公園が欲しい。障害者を優しく見守ってくれる公園があったらいいなと思う」と話した。

 要望活動は市身体障害者福祉会(佐藤太信会長)と共同で行った。同会員で足の関節に障害がある伊藤春代さん(66)は「障害のある人もない人も過ごせるためには、遊具だけの問題ではなく、市民の意識の課題もあると思う」と話した。

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