埼玉新聞

 

ヤオコー、圧倒的シェア獲得へ 9月末に上場廃止、10月に生まれ変わりホールディングス化の予定 グループ売上高1兆円を狙う 今後は市場規模が縮小しそうなエリアどうする

  • 【企業】ヤオコー=看板、ロゴ

    食品スーパーのヤオコー

  • 【企業】ヤオコー=看板、ロゴ

 食品スーパーのヤオコー(川越市、川野澄人社長)は16日までに、10月1日を効力発生日とする単独株式移転による持ち株会社「ブルーゾーンホールディングス(HD)」を設立すると発表した。6月24日の定時株主総会を経て、ヤオコーは完全子会社化。9月29日に上場廃止する。持ち株会社は東京証券取引所プライム市場に上場申請の予定。ブルーゾーンHDの社長はヤオコーの川野社長が兼務する。

 持ち株会社体制への移行に伴い、グループの経営管理機能と業務執行機能を分離。各事業会社の権限と責任を明確化し意思決定の迅速化を図る。また、「グループ売上高1兆円」に向けた基盤づくりを進めるため、持ち株会社では企業の合併・買収(M&A)、新規事業開発、環境・社会・統治(ESG)対応などの戦略立案やリスク管理、管理部門の業務集約(シェアードサービス)の3機能を担い経営を効率化する。

 現在、小商圏高頻度来店を想定した食生活提案型(ライフスタイル業態)のヤオコーと、広域商圏のまとめ買い対応(ディスカウント業態)のフーコットなどの両軸で店舗運営しており、全ての顧客ニーズに対応することで地域の圧倒的なシェア獲得を目指す。今後、北関東や横須賀三浦地域(神奈川県)、外房地域(千葉県)などでは少子高齢化が進み、市場規模の縮小が見込まれることから、同社では「地域で独自の強みを持つ食品スーパーマーケット企業と連帯を深め、大きな連合体の形成を目指したい」としている。

 持ち株会社の名称は「地域のお客さまにとって人生を楽しみながら元気に長生きできるコミュニティーづくりに役立ちたい」との思いを込めて、健康で長寿な人々が多数居住する地域の総称「ブルーゾーン」から命名した。
 

ツイート シェア シェア