埼玉新聞

 

加須駅近くに新病院、6月1日開院 埼玉・加須市長選10日告示、病院を核としたまちづくりの在り方で論戦

  • 埼玉県済生会加須病院(中央奥)を核にした加須駅南口周辺のまちづくりが始まっている

 加須市長選は10日、告示される。大橋良一市長(74)の引退表明を受け、前副市長角田守良氏(65)と、創業・経営コンサルタント山内正明氏(47)の新人同士の一騎打ちになりそう。加須駅南口近くには6月1日、中核病院として埼玉県済生会加須病院が開院する。病院を核としたまちづくりの在り方で論戦が交わされそうだ。

 同病院は、1989年開院の埼玉県済生会栗橋病院が老朽化して、済生会が建て替えを検討していたのを、加須市が約4万1380平方メートルの用地を用意して誘致。土地は無償貸与で、市は50億円を済生会新病院建設工事等補助金で出した。「加須市にとって中核病院の誘致は50年来の課題だった」(大橋市長)という。

 昨年2月に市が出した10年間の「第2次加須市総合振興計画」でも、済生会加須病院周辺の都市的な土地利用をうたっている。駅近でありながら農地が広がるエリア。市によると、アクセスも改善される。コミュニティバスの「かぞ絆号」が病院まで延伸となるほか、加須市と鴻巣市を結ぶ民間路線バス・朝日自動車も病院停車を決めた。周辺道路も着々と整備されている。

 角田氏は、県が提唱するスーパーシティ構想にちなみ、加須駅南側を「かぞ版スーパーシティ構想」として、土地利用を図りたいとしている。

 山内氏は、「駅近の土地利用は歓迎。災害時要支援者の住宅もほしい。南口の土地利用を重視するが、北口側の開発も必要となる」と話した。

 新病院は駅南口から徒歩約7分。7階建てで、稼働病床数は304床。建設規模は延べ床面積約2万3209平方メートル。診療科目は内科、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科、小児科、外科、眼科、救急科など26科がある。

 病院1階には県内初の常駐型救急ワークステーションを備え、救急隊員の知識と技術の向上を図る。地域医療ネットワークシステム(とねっと)を活用しながら「地域完結型医療」を目指している。

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