珠算名人の称号持つ弥谷さん、母校にそろばん寄贈 さいたまの与野南小に 「小学生の時期にそろばんに親しんで力をつけて」と後輩たちへエール
そろばん日本一に何度も輝き、二十四代珠算名人の称号を持つさいたま市在住の弥谷拓哉さん(23)が、母校の同市立与野南小学校(土屋智樹校長、児童数354人)にそろばん40丁を寄贈した。弥谷さんは「そろばんは練習の成果が目に見えて分かる競技。小学生の時期にそろばんに親しんで力をつけてほしい」と“後輩たち”に期待する。
弥谷さんは「そろばん教室USA」前地教室の代表(浦和区)。4歳でそろばんを始め、小学2年生の時には、当時最年少で最高段位の暗算十段に合格した。その後は、さまざまな団体が主催する大会で毎年優勝を重ねてきた。2022年、全日本珠算選手権大会で日本一に輝き、昨年11月に行われた「二十四代珠算名人位決定戦」でタイトルを獲得した。
今回寄贈したのは「SOROBAN COLETTE」(朝日プリント社製、定価3850円税込み)。ブルー、ピンク、グリーン、グレーのカラフルな4色で、ねじやくぎを使わずリサイクル素材を利用したそろばん。水拭きや除菌もできるため、小学生に最適と選んだという。弥谷さんは、そろばんの魅力を「〇×がはっきりしている。細かい成功体験、失敗体験を繰り返して、やり直すことができる」と語る。
現在はそろばん教室で幼児から大学生まで約120人を指導。「年長者が小さい子たちの世話をしたり、年少者が年上の子に憧れたりという人間性を育む場になっている。脳科学分野でもそろばんの効果の研究結果が発表されているので、老若男女問わず始めてほしい」と弥谷さん。
寄贈を受けた土屋校長は「大変ありがたい。頂いたそろばんはカラフルで子どもには魅力的なデザインなので、楽しく学べると思う。有効に使わせていただき、算数の面白さにつなげていきたい」と感謝した。そろばん40丁は3、4年生(約120人)の年間2時間の授業時に、学校からの貸し出し教材として使用するという。