埼玉新聞

 

ミス…がん検診の結果「異常あり」を「異常なし」に 熊谷外科病院が謝罪 「異常あり」なのに送付漏れも

  • 記者会見で謝罪する(右から)熊谷市医師会の小林敏宏会長と熊谷外科病院の山崎哲資院長=13日午後4時5分ごろ、熊谷市大原

 熊谷市医師会は13日、市の依頼を受けて熊谷外科病院で実施した個別がん検診などについて、検診結果の誤記通知や通知漏れがあったと発表した。2020、21年度の個別がん検診で、検診結果の「異常あり」を「異常なし」と誤記報告した件数が17件、異常ありで送付漏れした件数が17件あった。該当者には2次検診を案内している。

 両者によると、同院で今年1月に検診担当事務の人事異動後、2月中旬に現在の担当者によってがん検診結果の送付漏れがあることが判明。内部調査で前任の担当者が実施していた18年1月から今年1月までの間で、検診結果が異常なしで送付漏れした件数も828件あった。

 その後、市からの連絡で特定健診でも同様の事案があることが判明。特定健診の伝達漏れは201件で、そのうちの異常なしが2件、軽度異常が7件、要経過観察が56件、受診勧奨が22件、治療中が114件だった。

 同院は3月29日に設置した弁護士などで組織する特別調査委員会で5月までに原因を究明し、再発防止策の徹底を図る。本年度は市の個別がん検診や特定健診などの実施を自主的に辞退したという。

 同院の山崎哲資(さとし)院長は謝罪し、「このような事態を二度と起こさぬよう信頼回復に努める」と語った。同会の小林敏宏会長は、全ての検診実施医療機関を対象に検診業務の処理内容の調査を現在行っているとして、「調査結果をまとめて、今後研修会を開催して適正な検診の実施徹底に努めていきたい」と話した。

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