埼玉新聞

 

熊谷6人殺害で地域防犯の枠組み 何かあると防災無線流れるが…事件から時間経過…防犯意識に温度差

  • 「熊谷モデル」、年数経過で課題も

 熊谷市の6人殺害事件を受け、警察と行政、自治会が連携して犯罪情報を提供する地域防犯の枠組み「熊谷モデル」が誕生した。犯罪情報を緊急度に応じて防災無線やメールで発信しており、県内全域にも広まった。「市犯罪情報の住民提供等に関する協定」を締結している熊谷署や市、市自治会連合会は協議会や情報伝達訓練を毎年開催している。

 市によると、市内の刑法犯認知総数は2013年が2159件だったが、21年は1008件まで減少。それに伴って、市のメール配信サービス「メルくま」の防犯関係の配信件数も15年度は200件だったが、21年度には125件に減少した。一方、「防犯・交通安全情報」の登録件数は15年度は1万3197件だったのが、21年度には2万2969件まで増加している。

 事件後、事件の徹底検証を県に求めて署名運動を展開した荒川自治会連合会の野口幸雄会長(78)は「何かあるごとに防災無線が流れるようになり、とても良くなった」と語る。署名運動を行った市議で赤城3丁目自治会の黒沢三千夫会長(59)は「前に進んでいるが、事件から時間が経過したことで、メールを受ける自治会役員の中でも防犯意識の温度差がかなりあり、改善していかなければならない」と話した。

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