埼玉新聞

 

とても恐ろしく絶え間ない砲撃…ウクライナから避難の女性、コロナワクチン接種「人々は病院に行けない」

  • ワクチン接種を受けるブリトキナ・ナタリアさん(右)=21日午前、越谷市の県東部ワクチン接種センター

 ウクライナから県内に避難しているブリトキナ・ナタリアさん(50)が21日、越谷市の県ワクチン接種センターで新型コロナワクチンの1回目接種を受けた。

 ブリトキナさんはウクライナ南部のペルボマイスカに住んでいたが、今月9日、ポーランドを経て来日。日本人と結婚した長女の深谷アナスタシアさんが夫婦で住む越谷市内の住宅に身を寄せた。ウクライナで昨年夏ごろに新型コロナに感染。同国内では感染後6カ月はワクチン接種ができず、その後、ロシアの侵攻が始まり、接種できていなかったという。

 長女の夫で会社員の深谷賢至さん(38)の付き添いで接種会場を訪れたブリトキナさんは、当初は緊張した様子。医師の問診後、ベッドに横たわり、左腕に接種を受けると右手親指を立てて無事と喜びを表していた。接種を終えると「とてもいいです」と笑顔。「このような機会を与えていただき、大変安心している」とコメントした。

 ブリトキナさんは現在の情勢について「ウクライナに残っている家族を心配している。戦争はとても恐ろしい。ガス、電気、水道、電話が使えないなど悪い影響が広がっている。絶え間ない砲撃によって人々は病院に行くことさえかなわない」としている。

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