渋沢栄一の行動は人づくりの原点になる 埼玉・深谷で座談会 郷土の偉人の人材育成語る…経営者の役割とは
深谷市出身の実業家渋沢栄一ゆかりの企業・団体のトップリーダーを招いて「人づくり」について知恵を学ぶ公開座談会「渋沢栄一プレミアムミーティング2022」(渋沢栄一ひとづくりカレッジ発足準備室主催)が22日、深谷市西島町の埼玉グランドホテル深谷で開催された。郷土の偉人の人材育成について、パネリストが語り合った。
■足跡から学ぶ育成の原点
昨年の大河ドラマで渋沢栄一が主人公の「青天を衝(つ)け」が放送され、幕末から昭和の激動の時代を生き抜き、万人の幸せのために逆境を乗り越え、近代日本経済の礎を築いていく姿が描かれた。
生涯を通して人材教育にも積極的に関わってきた渋沢栄一の人づくりに注目した深谷市は本年度、新たな時代を切り拓(ひら)く人を育てる「渋沢栄一ひとづくりカレッジ」をスタート。第1弾として「渋沢栄一翁のひとづくりへの想(おも)いを紡ぐ公開座談会」を開き、オンラインでも配信した。
パネルディスカッションの参加者は東京商工会議所の三村明夫会頭や産業雇用安定センターの矢野弘典会長、水戸徳川家第15代当主の徳川斉正さんと深谷市の小島進市長。「逆境の今こそ、変革のチャンス!~ひとづくりで未来を切り拓く~」をテーマに、日本資本主義の父とのつながりや学んだこと、人づくりの重要性などについて語り合った。
三村会頭は、設立者であり初代会頭を務めた渋沢栄一について、「奇跡の人で、特徴は行動をすること。ビジョンがあって行動をしていたのではなく、行動してビジョンが凝縮していった。だから栄一が言っていることは皆の心を打ち、一生を通じて実践した」と説明した。
人づくりについても触れ、「経営者の役割として従業員を非常に大切に思っていることを具体的な行動で分かってもらい、従業員に働きがいを与えることだと思っている。栄一の行動は人づくりの原点になる」と話した。
矢野会長も「一挙にリーダーができるわけではない。若い時からそういう心構えを持って経験を積み、大きな仕事を成し遂げた先輩もいっぱいいるので、そういう人をテキストにしてどうしたらいいか若い人に教えていくことが大事」と語った。