埼玉新聞

 

突然…道路が10メートル陥没 トラック落ち、運転手の救助難航 消防隊員も落ちて来た土砂で負傷 下水管劣化、破損か 12市町に下水道利用控える要請 さいたま市岩槻区など〈続報〉

  • トラックが転落した穴に入って救助を行う消防隊員ら=28日午後3時ごろ、八潮市二丁目

    トラックが転落した穴に入って救助を行う消防隊員ら=28日午後3時ごろ、八潮市二丁目

  • トラックが転落した穴に入って救助を行う消防隊員ら=28日午後3時ごろ、八潮市二丁目
  • 【地図】八潮市
  • 八潮市で道路が陥没した県道交差点の位置(図の中心点付近)=国土地理院HPから

 28日午前9時50分ごろ、埼玉県八潮市二丁目の県道54号上で道路が陥没し、トラック1台が転落した。運転手の男性1人が車内に取り残され、救助活動を実施。男性は当初、意識があり、呼びかけに応じていた。また、救助活動中に消防隊員2人が落ちてきた土砂でけがをし、救急搬送された。地下に敷設されている下水管の劣化が陥没に影響した可能性があるとみて、県が原因を調べている。

 草加署によると、同日午前9時50分ごろ、目撃した男性が「道路が陥没してダンプが落ちた」と110番。現場は片側2車線と右折レーンがある交差点で、中央付近に直径10メートル、深さ10メートルほどの穴が開いた。八潮駅から約1・3キロ、八潮市役所から約300メートルの距離で、付近では約1キロにわたり通行規制が行われている。

 県中川下水道事務所によると、事故現場の地下約10・6メートル下には1983年に供用開始された直径約4・75メートルの下水管が通っている。下水管がつながる三郷市の下水処理場では事故後、流入量が減少したとして、担当者は「下水管にひびなどが生じ、周囲の土砂が流れ込んだことも考えられる」と空洞の形成に影響した可能性に言及した。現場の下水管は2021年度に点検した際、一部で腐食が確認されたが、修理が必要となるものではなかったという。

 県道路環境課によると、県道54号は災害時に物資輸送などに使われる緊急輸送道路。20年に行った点検では深さ約65センチの地中に約13センチの大きさの空洞が見つかり、埋める対応を取ったという。
 
■12市町に「下水道の利用控えて」

 県は県道の下を通る中川流域下水道管が壊れた可能性があるとみて原因を調べるとともに、下水道管の閉塞(へいそく)の懸念から、県東部や南部の関連する12の流域市町に使用制限を依頼し、下水道使用を控えるよう呼びかけた。

 対象の12市町は、さいたま市岩槻区、川口市の一部(おおむね国道122号より東側)、春日部市、草加市、越谷市、八潮市、蓮田市、幸手市、白岡市、伊奈町、宮代町、杉戸町。

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