埼玉新聞

 

今春開校した奥武蔵創造学園で記念式典 自然に恵まれた市立小中一貫校 150人で船出祝う

  • 式典で新しい校歌をお披露目する奥武蔵小学校の児童ら=11日、飯能市長沢の奥武蔵中学校体育館

 飯能市に今春開校した市立小中一貫校の奥武蔵創造学園(奥武蔵小学校と奥武蔵中学校)で11日、開校記念式典が行われた。自然に恵まれた奥武蔵の情感あふれる校歌も披露され、在校生や保護者、教職員、来賓など計約150人が新しい学校の船出を祝った。

 過疎化が進む中、中山間地域の児童減少対策として飯能市は東吾野小と西川小、吾野小を統合。隣接する西川小と吾野中の既存施設を活用した施設隣接型の小中一貫校を4月1日に設置した。奥武蔵小(安田孝之校長)は児童74人、奥武蔵中(岡野民嗣校長)には生徒54人が通う。

 式典で大久保勝市長は「地域と市が一体となり、飯能市を象徴する素晴らしい学園が誕生した。この地が限りない発展を遂げるような学園にしようではないか」と祝辞。安田、岡野両校長も「新しい地域のシンボルとなる学校として発展を続けるであろう」と学園に期待を込めていた。

 奥武蔵小を代表して6年生の浅見忠信君(11)は「みんなで笑顔あふれる明るい学校を創っていく」と決意表明。奥武蔵中3年の金子佑君(14)は「地域とのつながりを大切に、充実した学校生活を送りたい」と抱負を述べた。

 同学園は中学校の教諭が小学校の英語や音楽の授業を受け持ったり、運動会や音楽会を小中合同で開催したりと、一貫校の優位性を実践する。豊かな自然環境と少人数の特長を生かした教育活動を推進し、通常の通学区域外からの就学を認める小規模特認校制度を導入している。

 奥武蔵小4年の大野蒼介君(9)は「中学校の先生から教えてもらえて楽しい。(テストで)100点は無理でも、80点は取れるよう頑張って勉強したい」とやる気満々。

 開校に伴い、小・中学校それぞれの校歌が作られ、同市の小中学校を卒業している音楽家野田学さん(48)が作曲を、妻の永田裕子さん(47)が作詞を手掛けた。小学校の校歌には、児童が飼育に励んでいた「蛍」(東吾野小)や、特産西川材の「杉・桧(ヒノキ)」(西川小)、校舎のシンボルだった「鐘」(吾野小)といった旧3校の象徴を歌詞に用いている。中学校の校歌は1、2番と3番のメロディーが異なり、曲に場面ごとの展開を持たせている。

 式典で友達と元気に校歌を披露した奥武蔵小2年の増岡みず姫さん(7)は「教室で勉強していると、(通っていた)吾野小のゴーンって鳴る鐘を思い出すことがある。校歌に鐘が歌われていて、とってもうれしい」と笑顔を見せていた。

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