道路陥没…空洞調査で現場近くに危険が生じる空洞は認められず 現場ではスロープ造設に着手 31日中の完成を目指す 地盤改良し、重機の進入路確保へ
八潮市の県道交差点で道路が陥没し、トラックが転落した事故で、県は30日、救助活動の重機が入れるように幅4メートル、長さ30メートルのスロープ状の進入路を造る作業を始めた。地盤改良をしながら作業を進め、31日中の完成を目指す。現場付近の路面下空洞調査は、調査の完了した2・5キロに危険が生じる空洞は認められなかったと発表した。レーダーに小さな反応があった数カ所については、空洞の有無を確認するため詳細な調査をする。
スロープは30日午後から現場に隣接する飲食店の駐車場から工事を始めた。スロープで重機が入れるようにし、穴の中のがれきなどを取り除きトラックの運転手とみられる男性(74)の救出を目指す。
陥没現場周辺の被害拡大防止に向け、地上から調査可能な深さ3メートルまでの路面下空洞調査(調査延長3・5キロ)を29日午後から実施。警戒区域内については、救出作業を最優先し、可能な範囲から調査に着手する。
30日未明に崩落が起きて二つの穴がつながり、大きさが幅約20メートルに広がったため、この日もドローンによる調査と路面下の空洞調査を実施した。
北田健夫下水道事業管理者は「八潮市雨水幹線からの漏水が中川流域下水道に流れ込んでいる。八潮市と県が協力して止める作業を進めている。これができると現地の作業状況も格段によくなる」と状況を説明した。
現場への汚水の流量を減らすため、29日午後11時20分から、春日部中継ポンプ場より新方川を経由して中川への放流を開始した。下流には飲料水の取水地点はない。
ライフラインの被害状況は通信1700回線が使用不可となっているほか、交差点信号、街路灯のみが停電。陥没による家庭での停電、ガスの被害はなく、支障となる電線は撤去済みで、ガスも現場付近に仕切弁が設置された。
県は円滑な周辺交通を確保するための交通マネジメント検討会を設置。広域迂回(うかい)の協力要請の実施、各機関のホームページや道路情報板を活用し、広く情報発信することなどについて関係機関と合意した。
大野元裕知事は「復旧に向けた取り組みを迅速に進め、ワンチームでの対応をお願いしたい。県民の皆さまには引き続き必要なご協力をいただきたい」と呼びかけた。