埼玉新聞

 

時折、刺激臭も…道路陥没の現場、穴は直径40メートル がれき除去への準備整うも雨などで救助活動が困難となる状況続く 「要救助者の一刻も早い救助に向けて活動」

  • 現場で進む、重機を投入するための工事=1日午前、八潮市二丁目

    現場で進む、重機を投入するための工事=1日午前、八潮市二丁目

  • 現場で進む、重機を投入するための工事=1日午前、八潮市二丁目

 八潮市二丁目の交差点で県道が陥没し、トラックが転落した事故は1日、発生から5日目を迎えた。同日は運転手とみられる男性の救出に向け、陥没穴内部につながるスロープが完成。しかし、夜には穴内部の水の影響で、作業が中断を余儀なくされた。2日は同市など関東南部に雨や雪が降る可能性があり、救助活動が困難となる状況が続いている。

 消防によると、1日午前3時半、陥没穴に落下していた電柱の除去が完了。昼ごろには穴に続くなだらかな斜面の整備が終わり、男性の救助の障壁となる雨水管やボックスカルバートと呼ばれる道路などのコンクリートのがれきを重機で除去する準備が整った。男性やトラックの運転席部分の姿は依然として確認できず、今後は土砂監視センサーで土砂の崩落を警戒しながら作業を進めていくとしていた。八潮消防署の佐藤徹司署長は「要救助者の一刻も早い救助に向けて活動していく」と強調した。

 同日昼ごろには、現場で救助活動が進められる様子が初めて報道陣に公開された。穴は直径約40メートルで、雨水管や道路表面などのがれきを撤去する重機が小さく見えるほどの巨大さ。側面には陥没や作業のために切断された雨水管や水道管の断面が見て取れた。

 陥没の原因とみられる下水管は積み重なった土砂に埋まり、悪臭はないが、時折硫黄のような軽い刺激臭が漂う。報道陣が見守る中、穴に落ちた雨水管を持ち上げていた重機が「ガン」と大きな音を立て、作業が中断される一幕もあった。

■ガス、通信復旧進む

 八潮市二丁目の道路陥没事故の影響で、東京ガスは1日、停止していた都市ガスの供給を全ての利用者について再開したと発表した。供給再開は130戸という。

 また、NTT東日本は同日、光回線を利用したインターネットサービスが一部回復したと発表した。午後1時現在、光アクセスサービス約500回線と固定電話約400回線が使えない状況という。八潮市民文化会館・勤労福祉センター(八潮メセナ)には同日から通信サービスに関する臨時相談窓口を開設した。

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