埼玉新聞

 

人気集めた福の神…幸運に恵まれる縁起物「福助さん」 所沢で人形など100点展示 歴史や立ち姿など珍しい品も紹介 親しみやすく人柄がよかったと、モデルは3人とも

  • 江戸時代の町並みのような空間に福助人形が並ぶ

    江戸時代の町並みのような空間に福助人形が並ぶ=所沢市の角川武蔵野ミュージアム

  • 江戸時代の町並みのような空間に福助人形が並ぶ

 福の神として親しまれる「福助さん」の歴史をひも解く展覧会「WHO IS FUKUSUKE-SAN? ~ラッキー・ゴッドキャラクターのなぞ~」が埼玉県所沢市東所沢和田の角川武蔵野ミュージアムで開催されている。作家の荒俣宏さんのコレクションなど約100点を展示し、立ち姿の福助人形など、珍しい品も紹介する。

 福助は江戸時代中期ごろに誕生したといわれ、幸運に恵まれる縁起物として福助人形が庶民の間で人気を集めた。足袋、靴下の老舗メーカー「福助」(旧・福助足袋)が商標登録する、ちょんまげに裃(かみしも)の正装で正座をして手をついているポーズが知られるが、当時は立ち姿に扇子を広げた姿など、多様な形の人形がつくられた。

 会場ではさまざまな福助人形と共に、同社が毎年つくる十二支をイメージした「お年玉人形」や商品に貼った紙札、看板なども展示。江戸時代後期に庶民の間でブームとなり、縁起物が描かれた「有卦(うけ)絵」や当時のチラシ「引札」のキャラクターとして人気を集めてきた歴史を、資料と共に解説している。

 福助のモデルは3人いるといわれており、同ミュージアムの学芸員は「3人とも親しみやすく、人柄がよかったといわれる。昔からの神様とは違う、庶民が生み出した神様の魅力だと思う」と説明。「福助さんは福の神様であり、日本のキャラクター文化にも通じる。キャラクターが好きな若い人や、福助人形を昔から知っている人まで、深く知ることで日本文化のよさを再発見してほしい」と話す。

 会期は3月31日まで。チケットは一般(大学生以上)1400円、中高生1200円、小学生1000円(未就学児は無料)で、常設展エリアも観覧可能。

 問い合わせは、電話窓口(電話0570・017・396)へ。

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