埼玉新聞

 

【動画】道路陥没…さらに穴が拡大する恐れ、否定できず 近くに住む女性、音で寝られず困惑 自宅で風呂に入らない住民ら、車に乗って離れた場所で入浴

  • 陥没した穴に入りがれきを撤去するなど作業が進む現場=2日午前7時ごろ(草加八潮消防局提供)

    陥没した穴に入りがれきを撤去するなど作業が進む現場=2日午前7時ごろ(草加八潮消防局提供)

  • 陥没した穴に入りがれきを撤去するなど作業が進む現場=2日午前7時ごろ(草加八潮消防局提供)

 八潮市内で発生した道路陥没事故で、県と八潮市は2日、ガスの安全が確認されたとして陥没が起きた交差点から半径200メートルとしていた規制範囲を縮小した。二次被害の危険性は減ったものの、道路陥没拡大の恐れが否定できないため「警戒区域」を半径50メートル、「避難区域」を半径31・5メートルの範囲に設定、変更した。規制範囲が縮小されたことを受け、2日朝に計20人だった避難者は、同日午後4時半現在で6世帯12人に減少した。また消防は中断していた不明男性の救助活動を、同日未明に一部再開したと明らかにした。

 市は市役所に隣接する市立八潮中体育館に開設していた一時的避難所を、市が運営する体育館エイトアリーナ(同市鶴ケ曽根)に変更した。同体育館はエアコンに加え、床暖房を装備。シャワーや更衣室も整備されているという。

 道路陥没が起こったのは先月28日。29日未明に交差点付近の陥没が拡大し、ガス管損傷による被害拡大の可能性が出た。市は交差点から半径200メートルの範囲で避難指示を出した。一時的避難所として市役所に避難所を設置。その後、隣接する八潮中体育館に避難所を移した。

 東京ガスは、二次災害防止の観点から交差点周辺の世帯で、一時最大130戸を対象にガスの供給を停止した。ガス管に異常はなく、ガスは1日午前、全世帯で復旧。県と市は2日正午から規制の範囲を縮小した。

 規制の対象となっていた地域に住む70代男性は先月29日、警察から避難を呼びかけられたが、交差点から一定距離があったため、自宅にとどまった。一方、下水制限がかかってからは他自治体の風呂を利用しているという。「区域が縮小したと言われても、生活は何も変わらない。救助活動がまだ続いているのに申し訳ない。これから足立区までお風呂に入りに行くところ」と家族で車に乗り込んだ。

 陥没した交差点近くに住む50代女性は「工事の音がうるさくてよく眠れない、寝つけなくなった。救出作業をしているのだから悪いとは思っているのだけど」と困惑した表情を浮かべた。
 

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