埼玉新聞

 

一生に一度の思い出!忘れられぬ開校150周年 埼玉・幸手の権現堂小で記念式典 40年以上続く行事も

  • 式典で校歌を演奏する在校生ら

 幸手市立権現堂小学校(川島正晴校長、児童数63人)は4月23日、開校150周年を祝う記念式典を同校で行った。地元関係者や卒業生、児童ら約150人が出席し祝った。地域の中心として、地域住民と共に伝統文化を継承してきた歴史を振り返り、新たな一歩を踏み出した。

 同校では昨年から開校150年実行委員会(高橋隆夫実行委員長)を立ち上げ、記念式典の準備を進めてきた。第35代目としてあいさつに立った川島校長は、「素晴らしい権現堂小を一層前進させていく」と述べた。

 同校は、1873(明治6)年に神明内浄誓寺を仮借し神明内学校として開校した。89(明治22)年に権現堂川村の成立と共に権現堂川小学校と改称。初の卒業生は16人だった。1985(昭和60)年に校舎を現在地(神明内570)に移転。その年度は、卒業生の強い要望もあり、卒業式を新校舎、お別れ会を旧校舎で執り行ったという。86(昭和61)年の市制施行に伴い、幸手市立権現堂川小学校に改称。これまでに3914人の卒業生が巣立っている。

 地域に根差した学校運営を行ってきた同校は、地域の協力を得ながらケナフ紙漉(す)き体験やみんなの運動会などの行事を受け継いできた。特にまこもの馬づくりは、卒業生ら地域住民の指導を受け児童が毎夏制作。完成品を七夕集会で飾り、40年以上の歴史を刻む伝統行事となっている。川島校長は「地域の方々との交流は、伝統文化を学ぶことだけでなく、人間教育にもなっている」と話す。

 式典では、スライドで150年の歴史を振り返り、在校生が校歌を演奏した後、出席者全員で色とりどりの風船150個を大空に飛ばし新たな門出を祝した。

 60年度卒の高田幸市さん(73)は「150周年を迎え式典を開催することができ感無量の気持ち。同校の特徴である伝統行事を残しながら末永く続いてほしい」と述べ、6年生の宇津木絆那さん(11)は「150周年記念に在校生として立ち会えたことを誇りに思う。一生に一度の忘れられない思い出となった」と語った。

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