道路陥没…運転席部分を発見か 下水道管の中、ドローンの画像で確認 運転手の男性は未確認
八潮市で県道が陥没しトラックが転落した事故で、県は5日、下水道管内で運転席部分らしきものがあることを確認したと発表した。運転手の男性(74)は車内外を含めて確認できていないため、県や地元消防は救助活動を急ぐ。
県によると、下水道管内の流れをせき止めている堆積物を確認するために下流側から飛行型の超狭小空間点検ドローンを投入し、5日午前10時25分から20分間の調査で収集したデータを分析。同11時34分、堆積物に至る手前の地点で運転席部分らしきものの画像が確認された。ドローンの飛行時間などから算出した、崩落現場から運転席部分らしきものまでの距離は100~200メートル。
大野元裕知事は「色は白に見えた。向きは分からない状態。全体を確認しているわけではない。少なくともわれわれが知っているキャビン(運転席部分)の形からは変わっている。極めて厳しい状況だが、奇跡が起きることを願っている」と述べた。
救助に向けた方針について大野知事は「県として救助をする直接の手段を持っていないので、消防・自衛隊の方々にお願いをするしかない。専門の方々に分析をしていただくと同時に、課題となる要件を含めて連携しながら検討をしている」と説明した。
2本目のスロープは5日夕方に完成したものの、崩落の危険があることから救出・復旧に向けた作業の障害となっているコンクリート製の農業用排水路を撤去するため、避難を呼びかける区域を拡大。近隣の住宅・店舗など5軒から新たに11軒増え、計16軒となった。
北田健夫下水道事業管理者は「ここの地質は、小さいパチンコ玉が積み重なっている状態。刺激を与えられたときに通常よりも緩い角度で安定しようとする可能性がある」と避難区域拡大の理由を説明した。撤去後は区域を縮小するという。
陥没箇所の水位低下を行うためのバキュームカーによる汚水の運搬については、運搬量を増加させるため、国土交通省関東地方整備局からも人員が派遣された。