埼玉新聞

 

道路陥没…運転席とみられる物体 陥没現場から流された可能性 下水道管内は硫化水素の濃度が高く 取り出すには「何かを壊さないと」

  • 下水道管の内部を調べるために使用されたドローン=5日午後4時40分ごろ、八潮市二丁目

    下水道管の内部を調べるために使用されたドローン=5日午後4時40分ごろ、八潮市二丁目

  • 下水道管の内部を調べるために使用されたドローン=5日午後4時40分ごろ、八潮市二丁目

 八潮市の県道陥没事故は5日、発生から9日目に急展開を迎えた。陥没箇所の拡大などで穴の中に取り残されていた男性が乗っているとみられる運転席部分が見つからず活動が難航。県などは下水管の中の調査に取りかかり、5日午前、飛行型の狭小空間専用点検ドローンで運転席部分とみられる物体を発見した。

 県のドローンによる調査によると、下水管内には3分の1ほどの水位があり、運転席のようなものは管の3分の2ほどの大きさで、一部が水に漬かっていた。所々が白く、金属のような材質で、土砂や水流によって陥没現場から流された可能性があり、変形した状態だという。運転席のようなものの奥には別の堆積物があることも確認されており、管を閉塞(へいそく)している状態だとしている。

 対策本部会議後には、報道陣から今後の具体的な活動や救助プランなどの説明を求める声が上がったが、発見された付近は硫化水素の濃度が高いことや、運転席のようなものが下水管内部に入り込んだような状態で悪条件が重なっている。県の担当者は運転席を取り出すには「何かを壊さないとならない」とした。

 下水道管内での活動が続けば、12市町に呼びかけられている下水道の使用制限も長期化する恐れがある。大野元裕知事は時間指定などの節水要請について問われ、「現時点では具体的なものはない」と述べた。

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