埼玉新聞

 

道路陥没、「家の下は大丈夫?」…不安抱える子どもに聞かれ「どう答えたら」 住民ら避難生活が1週間超 自身の生活、運転手の安否、復旧作業の進捗…睡眠浅く、言葉少なに「心配事ばかり」

  • 避難指示が出て八潮市役所へ避難する人たち

    避難指示が出て八潮市役所へ避難する人たち=29日午前3時40分ごろ、八潮市役所

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 八潮市の県道陥没事故は1月28日の発生翌日未明から、周辺住民に避難が呼びかけられた。避難所は臨時で設けた市役所から中学校体育館、市の体育館エイトアリーナ(鶴ケ曽根体育館)へと移っている。5日午後6時現在、6世帯10人が避難。避難生活が1週間を超え、避難した住民らは心身ともに疲弊している。

 避難を続ける70代男性は洗濯や家の様子を見るため、1日2度ほど、自宅に帰る。「徐々にストレスが増えている」と苦しい心境を明かした。睡眠は浅く、「よく寝られない。(深夜)0時とか3時とか変な時間に起きちゃう」

 自身の生活とともに、安否不明の男性運転手と復旧作業の進捗(しんちょく)が気になる。近所では家族やペットがいる世帯で、避難しなかった住人がいるという。「避難指示と避難勧告、自主避難、避難区域はどう違うのか」。自ら避難している立場がはっきりしていない様子だ。避難の長期化について「心配事ばかりで不安だらけ」と言葉少なに答えた。

 長男長女が小学校に通い、次男を保育園に送り迎えしている近所の40代母親は「子どもたちも不安を抱えている」と振り返った。

 小学生の通学、園児への影響が出ているという。陥没事故が起きた交差点の反対側の保育園に次男を送迎するが、普段の倍の時間がかかるという。節水制限にも配慮。家族の洗濯物が多い中「救出活動が続いているので、水を少なめにして洗っている」と語る。

 小学生のきょうだいが不安を口にするという。通学路や自宅がある地域で、同様の陥没事故が起きないか、問われることもあった。「家の下は大丈夫?と聞かれ、どう答えたらよいか難しい」と表情を曇らせた。

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