埼玉新聞

 

あっという間に行列…手作りパン200個、15分で完売 「あんバターパン」と「メロンパン」 支援学校生、授業の一環で調理 宮代高校で販売、昼休みに笑顔広がる

  • パン販売を行う生徒

    パン販売を行う生徒=宮代町東の宮代高校

  • パン販売を行う生徒

 埼玉県宮代町の県立宮代高校内に設置された県立春日部特別支援学校宮代分校の生徒が4日、授業の一環で宮代高校の生徒や教員に、心が込もった手作りのパンを販売した。販売は両校の交流の一つで昼休みに笑顔が広がった。

 昼休みになると生徒ホールに同高校の生徒らが続々と訪れ、あっという間に行列ができた。分校の生徒たちは「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」と接客をこなす。

 実際の作業を通して働く力を身に付ける「職業」の授業で、パン作りを行っている食品加工班の取り組み。

 この日販売されたのは「あんバターパン」と「メロンパン」で同班の1年生と3年生の生徒が教員の指導の下調理した、約200個のパンは約15分で完売した。

 パン販売は職員室や事務室での販売など1年間で約10回実施。教室内に掲示されたポスターを見て初めて買いにきた同高校1年生の渡辺健太さんは「どんな味なのか楽しみです」と笑顔で話す。分校3年生の山村勇人さんは同班での学びについて「周りを見ることやコミュニケーション能力が身に付いたと思っている」と振り返り、「1年生と3年生が協力して一生懸命作ったパンなのでおいしく食べてほしい」と話していた。

 同校の「職業」の授業では同班のほか「農園芸班」、「オフィス班」、「メンテナンス班」の四つの作業班がある。分校の中村勇樹教頭はパン販売などを通じた交流については「宮代高校の生徒にとっては障害者に対するバリアがフリーに、分校生にとっては同世代の高校生たちと共に生きて共に学ぶ機会になる」と話していた。

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