埼玉新聞

 

<新型コロナ>戸田橋花火大会、3大会連続で中止に 前回は100万人規模、来場者らの安全確保が困難

  • 荒川を挟んで光の競演が楽しめる戸田橋花火大会(提供写真)

 戸田市は12日、毎年夏に荒川で開催されている戸田橋花火大会を中止すると発表した。2020年から3大会連続で中止となる。コロナ禍の収束が不透明で、来場者らの安心・安全の確保が困難であることを中止決断の理由に挙げた。

 市によると、戸田橋花火大会は戸田町(当時)と対岸の板橋区の境界変更を記念し、1951年に開催されたのが始まり。第1回は戸田町の主催で板橋区が後援の形だったが、2回目以降は戸田と板橋で別々に実行委員会をつくり同時開催してきた。

 これまで毎年8月第1土曜日に開催してきたが、20年は東京五輪・パラリンピックが開催予定だったため5月23日に変更し、その後コロナ禍で中止になった。21年は東京五輪・パラリンピック大会終了後の11月6日に開催する予定だったが、コロナ禍が収まらず中止となった。

 今年は4月末に、それぞれの実行委員長を務める菅原文仁・戸田市長と坂本健・板橋区長が協議を行い、中止を決定した。菅原市長は「議会や市民から開催への熱い期待があったが、隅田川など都内の花火大会が中止になっており、コロナ感染防止の安全確保のために苦渋の決断をした」と語った。

 今年の戸田側の実行委員会の事業規模は1億5千万円。そのうち市からの補助金は1億1382万円で、残りは企業からの協賛金や有料席の料金収入で賄う予定だった。前回の19年の花火大会の人出は戸田側で約35万人、板橋側と合わせると100万人規模だった。

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