道路陥没…運転席部分に人がいる可能性 陥没箇所から30メートル下流の地点 ようやくトラック会社が所有する車だと確認 埋まった状態、2週間が経過
八潮市の県道が陥没してトラックが転落し運転手の男性(74)の安否が不明になっている事故で県は11日、第1回災害対策本部会議を開き、下水道管内に埋まっている運転席部分(キャビン)に人がいる可能性があることを明らかにした。また、陥没事故発生後に八潮市を含めた県内12市町の約120万人に求めていた下水道の利用自粛要請を、12日正午に解除すると発表した。
運転席部分が見つかったのは陥没箇所から約30メートル下流。県などによると、運転席を発見した5日と6日のドローンの画像を警察、消防、県、法医学者が確認し、最終的には10日に法医学者が運転席に人がいる可能性があると判断したという。運転席はトラック会社が所有する車両と確認できたことから転落したトラックの運転席部分と断定した。
消防が救出方法を模索しているのと並行して、県は運転席に運転手がいる可能性があることが判明したことから運転席へのアクセスに関して土木的措置で行うことを決定。工法については、いったんバイパス(仮排水管)となる下水道管の設置により下水を迂回(うかい)させつつ、運転席に向け掘削を進める方法を検討する。工期は約3カ月を要するが、大野元裕知事は「キャビンの救出に注力するという新たなフェーズに変わった」と述べた。
下水道の自粛解除については、これまでに風呂や洗濯などの頻度を下げる協力を依頼してきたが、排水ポンプで陥没部をバイパスする対策を進めてきたことにより、下水道の使用自粛と同程度の効果を得る見込みが立ったという。
また、県は11日から災害対策本部を設置して対応に当たるとし、今回の事故に災害救助法を適用すると明らかにした。国と調整し大野知事が決定した。適用地域は八潮市で避難を開始した1月29日にさかのぼって適用する。
事故発生から11日で2週間が経過。大野知事は「事故に巻き込まれた方々にお見舞いを申し上げるとともに、県民の皆さまにはご理解、ご協力をいただいていることに感謝を申し上げたい」と述べた。草加八潮消防局の竹内康行次長は「いまだ救出に至ってないことでご家族や会社、関係者の皆さまに想像を絶する心配をおかけしていることを大変、心苦しく思っている。関係機関と協力し、一刻も早い救出につなげたい」と語った。