埼玉新聞

 

【東京ウオッチ】“かっこよく、楽しく、面白い”ファッション誌や絵本が放つ輝き―立川「PLAY!MUSEUM」でデザイナー堀内誠一展 いまのTokyoをつかむイベント情報(15日~23日)

  •  「anan」表紙(11号、1970年)(平凡出版 (C)マガジンハウス、(C)Seiichi Horiuchi)。モデルの秋川リサさん(左)と立川ユリさん(提供写真)

     「anan」表紙(11号、1970年)(平凡出版 (C)マガジンハウス、(C)Seiichi Horiuchi)。モデルの秋川リサさん(左)と立川ユリさん(提供写真)

  •  「anan」表紙(11号、1970年)(平凡出版 (C)マガジンハウス、(C)Seiichi Horiuchi)。モデルの秋川リサさん(左)と立川ユリさん(提供写真)
  •  PLAY!MUSEUM「堀内誠一展 FASHION・FANTASY・FUTURE」会場写真(撮影:植本一子、(C)Seiichi Horiuchi)(提供写真)
  •  「ぐるんぱのようちえん」(1965年、福音館書店、(C)Seiichi Horiuchi)(提供写真)
  •  松本で撮影されたアオイヤマダさん(撮影:磯部昭子)(提供写真)
  •  「ジェイ・ドゥ・セルクル」で販売される焼き菓子(提供写真)

 ◎今週の一推しイベント

 【15日(土)】

 ▽「堀内誠一展 FASHION・FANTASY・FUTURE」(~4月6日、立川市)

 1970年代から80年代にかけて活躍したアートディレクター、デザイナー、絵本作家の堀内誠一さんの膨大な仕事の全貌が、立川の「PLAY!MUSEUM」で紹介されている。

 「anan」や「BRUTUS」「POPEYE」など人気雑誌のロゴマークのデザインで知られる。特に「anan」は、70年の創刊号から49号までを手がけ、表紙のデザインや誌面構成などの編集も統括し、同誌の礎をつくった。

 会場壁面に「anan」誌面を拡大して展開。秋川リサさん、立川ユリさん・マリさん姉妹ら人気モデルが着こなすファッション、食や旅行、アート情報を自由にレイアウトしたページは、今見ても鮮やかで新しい。展覧会プロデューサーの草刈大介さんは「革命的な仕事だった。ファッションを画一的・記号的にとらえずに、海外で撮影した写真や斬新な誌面デザインを通して開放的な感性を女性たちに提示した。文学者の渋沢龍彦さんらの文章も掲載され、ページをめくるごとに意表を突く世界観が打ち出されていた」と解説する。

 戦後、10代の堀内さんが働き始めたのは伊勢丹百貨店の宣伝部。雑誌の仕事に転身してからは肩書にとらわれず活動の場を広げる。その一つが絵本の出版だった。

 会場では70冊以上の刊行物から選んだ原画を紹介。絵柄に統一性がなく、多種多彩な表現力に圧倒される。中央に名作絵本「ぐるんぱのようちえん」の世界を紹介する大広場を設けた。「孤独なゾウが、仲間と居場所を見つけるファンタジー。子どもも大人も楽しめる明るい色彩から、垣根を越えて交わることの尊さが伝わってくる。分断が進む現在の世の中で、ぜひ触れてほしい絵本だ」

 交流のあった文化人らが薦める堀内作品を紹介するコーナーも。詩人の谷川俊太郎さんが寄せたコメントは「私たちに遺してくれたもの、それは喜びだ」。54歳で亡くなるまで発し続けたエネルギーが満ちあふれている。

 ○そのほかのお薦めイベント

 【15日(土)】

 ▽「海老坐禅展」(~24日、渋谷区)

 東京五輪閉会式でのパフォーマンスやビム・ベンダース監督の映画「PERFECT DAYS」出演で国内外の注目を集めるダンサー、アオイヤマダさん。彼女が第一線で活躍するトップクリエーターたちと組むクリエーティブ集団「海老坐禅」の写真展覧会が、渋谷パルコで行われている。

 写真家の磯部昭子さんが東京の街、熱海の昭和レトロなホテルや、松本の自然の中などでアオイヤマダさんを撮影した、約150点の画像からなる作品集の刊行に合わせた。収録写真や新たに撮影した作品を展開し、ミラーや動画を使うなど、視覚性を駆使した独特の鮮やかさで紹介。気鋭のダンサーの多様な個性を浮かび上がらせた。

 アートディレクターを務めた河野未彩さんは「チームの力で創り上げた世界観。撮影中に差した一筋の日光、突然降り出した雪など瞬間の美しさと共にとらえたダンサーの動きを、写真を通して感じてほしい」と語る。

 モデルとしても活躍するダンサーのファンタジックな魅力を引き出したのはスタイリストの二宮ちえさん。「服の力が強過ぎると着る人が負けてしまうが、皆が一つになり、モダンとファッション性が両立したスタイリングを実現できた」と話す。

 展覧会前日、アオイヤマダさんはルールにはまらない自由なパフォーマンスで会場の人々を魅了、「世の中にある中ぶらりんなものごとを受け入れられる強さと優しさを、私たちは持っている。そんな各人の感性がパズルのピースのようにはまり表現できた作品を楽しんでもらいたい」と話した。

 【20日(木)】

 ▽「東京駅にジェイ・ドゥ・セルクルがオープン」(通年営業、中央区)

 人気の焼き菓子専門店「ジェイ・ドゥ・セルクル」が、東京駅八重洲北口改札そばの「東京ギフトパレット」内にオープンする。

 「新鮮で体にやさしい」をコンセプトに、2022年から横浜・あざみ野で丁寧に作ってきた焼き菓子を提供している。

 北海道産生クリームを使用したラングドシャを並べてバラの花のように仕上げた「ラングドシャ リングバニラ」は人気商品。チョコクランチの中央にチョコレートのガーベラをあしらった「ガーベラクランチ」など見た目の華やさも特徴だ。 新店舗ではバラの形にラズベリーの香りを込めた「東京ロージア フィナンシェ」を先行販売。通勤や通学、旅行時に立ち寄り、春らしいスイーツを手に入れたい。

 【21日(金)】

 ▽「クリスマスローズの世界展2025~恋する魅惑の花~」(~22日、豊島区)

 寒さの厳しい季節に咲く花“クリスマスローズ”をテーマとしたイベントが、池袋のサンシャインシティで開かれる。

 交配によって作り出されたり、日本クリスマスローズ協会会員が育てたりした多種多様な花々を鑑賞できる。

 各地のクリスマスローズ生産者が直接販売するマーケットや、NHK「趣味の園芸」やユーチューブでおなじみの横山園芸・横山直樹さんによるセミナーも開催。マニアだけでなく、園芸初心者にも花の魅力を感じられる機会となるだろう。

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