埼玉新聞

 

全国で最大規模!埼玉・中川水循環センターのバイオガス発電システム、順調に稼働 見学会を6月5日に予定

  • 汚泥消化施設の概要説明を受ける報道陣

 県下水道局は16日、全国最大規模の汚泥消化とバイオガス発電システムを備えた施設を昨年11月に整備した三郷市の中川水循環センターの施設見学会を報道陣向けに実施した。運用開始から5カ月間で一般家庭1130世帯分に相当する約500万キロワットの電力を供給するなど順調に稼働しているとし、6月5日には一般向けの見学会も予定している。

 県東部15市町をカバーする同センターは、処理人口が約142万人で年間処理水量は全国・県下ともに3番目の規模。1日に処理する汚水量が約45万トンと大量に発生する汚泥処理の減量化と併せ、温室効果ガス排出量の削減やバイオガスの電力化などの目的から同施設を整備した。

 汚泥消化施設で水処理施設に入ってきた最初の汚泥を高濃度濃縮し、処理過程で生じた余剰汚泥と混ぜ合わせて消化タンクに入れ、微生物の有機分解によりバイオガスを発生させる。バイオガスは発電施設に送られ、燃料として発電させる仕組みだ。

 この設備により、年間1万7千トンの二酸化炭素が削減されるほか、一般家庭2100世帯分に相当する925万キロワットの年間発電量が見込まれるという。電力は、固定価格買取制度により20年間に渡って1キロワット当たり39円で売電される。運用開始からの稼働実績として、5カ月間でバイオガス供給量が計画値より115%、発電量は130%上回ったとした。県は、今後、処理人口の大幅な変動が見られないことから同センターにおける施設の拡大は見込んでいないとするが、古利根川流域での導入を検討しているという。

 一般向け見学会は、午前10時と午後2時の2回。所要時間は約1時間、定員は各回先着30人。希望者は、県庁の電子申請システムから申し込む。問い合わせは、下水道管理課(電話048・830・5440)へ。

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