埼玉新聞

 

【J1浦和】’25開幕へ(下)次世代スターの育成 タイトルへ成長必要 個々の底上げがチーム力に

  • 向上心が強く、成長が期待される二田

    向上心が強く、成長が期待される二田=1月31日、沖縄県金武町フットボールセンター

  • 向上心が強く、成長が期待される二田

 浦和の大きな課題の一つに次代を担う若手の育成がある。近年は生え抜きの伊藤(現ベルギー1部ヘント)が活躍し海外移籍。安居、大久保らも主力としてプレーするが、今のところチームを押し上げる絶対的な存在にはなれていない。

 残念ながら、自チームの選手育成を他チームで行っている現状もある。例を挙げると藤原(大分)、工藤(岡山)、宮本(京都)、堀内(栃木SC)、木原(レイラック滋賀FC)は国内に期限付き移籍。昨年、輝きを放つ試合もあった武田は定着には至らず。仙台に完全移籍した。

 リーグ制覇は最大の目標だが、将来有望な選手や下部組織からの昇格組を戦力にすることも必要だと考える。原口は「昔の浦和レッズではないので、選手一人一人が成長しないと勝てないチームもある。成長は今の浦和にとって必要なもの」と底上げの重要性を語る。

 実際に原口は、沖縄キャンプで若手選手とのコミュニケーションを大事にした。本間、二田、照内といった次の世代を担うスター候補生と練習後に居残りする姿が目立ち、合宿で時間を共にすることが多かったという。

 向上心が人一倍強く、原口から“弟分”として目をかけられる二田は「ビデオで練習試合だったり、自分の良くなかったところを一緒に見てくれたりもする」と感謝を口にする。成果を示すためプレー精度を上げチーム一、二を争うスピードを見せつけたい。

 昨シーズン途中に加入した本間は海外チームからJリーグに復帰。切れ味鋭いドリブルが魅力の背番号19は「戦術と自分の特長を出せばいいプレーができる」と日々成長。前を向いた時のプレーは目を見張るものがあり、戦力として生かしたい。

 1年目から期待したいのは流通経大から加入したDFの根本。ポジショニングの良さと、ヘディングの強さを武器にする。多数のチームとの争奪戦を制して獲得した選手だけに浦和で育てたい逸材だ。大卒1年目でスタメンを奪取した坪井慶介氏の再来となれるか。

 今シーズン四つのタイトルを狙う上で、戦力の充実は必要不可欠となる。願わくば、「栄冠」の横に一人でも多くの笑顔が見たい。

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