<新型コロナ>文化祭、一般公開を 6月開催の春日部高校、生徒会が県教育長に署名提出
県立高校での文化祭の一般公開を求め、県立春日部高校生徒会の生徒4人が20日、20校連名の陳情書と全国から集めた署名1万6978人分を高田直芳県教育委員会教育長宛てに提出した。生徒会長で3年の須藤郁実さんは、「初めは春日部高校の文化祭を一般公開したいと考えていたが、他校や一般の方々の支持を頂いた。(文化祭での)僕らの全力を多くの方に見てほしい」と訴えた。
陳情書は文化祭の一般公開が生徒の貴重な人生経験だと訴え、一般公開を各校の判断で可能とするように県教育局が定めるガイドラインを改訂することや、同校文化祭実行委員会が専門家の意見を参考に作成したガイドラインを共有し、一般公開の先駆けとすることを求めた。
ガイドラインでは在校生の保護者へ文化祭の公開を認めているが、地域住民や他校生への一般公開は認めていない。高田教育長は同日の会見で、19日までの児童生徒の感染者数は5月上旬の連休前と比べて大幅に減少していると指摘し、ガイドラインについて「県の専門家会議で諮り、見直せるものは見直したい」との方針を示した。
一般公開を求める活動は同校有志が4月末から開始し、5月9日に同校全校生徒が出席する臨時生徒総会で陳情書を可決した。県内134校の県立学校生徒会にも賛同を求め、20校が賛同。また、ネット上で全国から1万6978人分の署名が集まった。
同校は3年前の文化祭は中止し、昨年は在校生のみで開催した。今年は6月4、5日の開催で、生徒が校歌を輪になって歌う「春高(かすこう)ジェンカ」が名物のひとつ。須田さんは、「1年生のころはまず学校に来られず、始まっても人と人との距離がある状態だった。3年生になり、僕たちが中学生の時に文化祭を見て(春日部高校に)入ってきたのが心に残っていて、実現したいという気持ちが強くなった」と思いを語った。
陳情書を受け取った同局高校教育指導課は「教育委員会としては、感染対策を徹底した上で通常の教育活動を行えるよう、学校を支援していきたい」と話した。
同局によると、多くの県立学校の文化祭は9月に実施され、同校は県内で最初となる。同校はガイドラインがこのまま改訂されなければ、ガイドラインにのっとり同居家族への公開のみとする予定だという。