埼玉新聞

 

焼死させられた男性のスマホか…倒れていた部屋ではなく、隣の部屋で発見 事件前に男性と会ったのは3人

  • 事件現場前を警戒する警察官=17日午後、朝霞市上内間木(写真一部加工)

 朝霞市の放火殺人事件は捜査本部設置から1週間となった。県警は、現場や周辺の聞き込み、付近の防犯カメラ、ドライブレコーダーの映像を集めるなどして逃走した犯人の行方を追っている。ただ、有力な手掛かりに乏しく不審な人物は浮上していない。建物内部の燃え方が激しく、現場検証に時間を要するのも捜査が難航している大きな要因だ。

 火災は14日午前9時50分ごろ、通行人からの119番で発覚した。プレハブ平屋「長葭(ながよし)内装」の事務所兼作業場が全焼し、焼け跡から遺体が見つかった。その後のDNA型鑑定で身元は同社社長の男性(43)と判明。県警は建物にガスが通っておらず、普段は火の出ない場所から出火している点に加えて、司法解剖の結果、死因は焼死で、男性の血中から一酸化炭素が検出されたことから生前に火が付けられたとして、放火殺人と断定した。

■焼け跡からスマホ

 朝霞署捜査本部は23日、焼け跡からスマートフォンが見つかったことを明らかにした。県警はスマートフォンの精査を試みるなどして、逃げた犯人の手掛かりを捜している。

 捜査本部によると、現場検証の結果、スマートフォンは男性が倒れていた事務所側ではなく、作業場スペースから発見された。男性のものの可能性が高い。捜査関係者によると、焼け焦げるなどの損傷が激しく、どの程度解析できるかは不透明だという。

 また男性が被害に遭った14日、午前4時ごろに同社に戻ってきたのが4人だったことも新たに判明した。当初は男性を含めて3人とされていたが、1人は13日夜に後から都内の仕事現場に合流していたという。

 県警はこれまでに捜査員延べ750人を投入した。

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