「小1の壁」解消へ 始業前に児童預かり 埼玉・志木市でモデル事業 朝の1時間、小学校に隣接の学習施設で過ごす 埼玉の自治体での実施は初
2025/02/19/10:30
志木市は18日、小学校への登校時間が保護者の出勤時間より遅いことで生じる「朝の小学1年生の壁」を解消するため、小学校の開始まで児童を預かる「朝のこどもの居場所づくりモデル事業」を実施すると発表した。県が新年度から始める事業の補助金を活用する。市によると、学校側が居場所を確保する事業は東京都内の自治体で実施されているが、県内の市町村は初めてという。
「小1の壁」は、就学前まで子どもを預けていた保育所の開始時間より、小学校の始業時間の方が遅いことで生じ、保護者の出勤後の児童たちの居場所確保が課題となっている。
市の事業は、小学生を対象に午前7時から同8時まで学校側が預かるもので、県が2025年度から実施予定の「朝のこどもの居場所づくりモデル事業」の補助金を活用する。
市は事業費200万円を新年度予算案(民生費)に計上。20日から開会する3月定例市議会で可決されれば、5月下旬から同市本町1丁目の志木小学校(児童数926人)をモデル校として開始する。
志木小は生涯学習施設「いろは遊学館」が併設されており、始業前に登校した児童たちは朝の1時間、遊学館で過ごす。定員30人で、業務委託する支援要員2人が児童らを見守る。費用は無料だが、利用する場合は保護者が児童を学校まで送ることが条件になる。
県の事業は小学校などに見守り員などを配置、モデル事業に取り組む市町村に補助を実施・検証する。200万円を上限に3分の2を補助する。
小1の壁を巡り、市には保護者らから「始業前の居場所はあるか」などの問い合わせが数件あったという。
香川武文市長は「業務委託先は市民をはじめNPOや民間などから選考して決める。モデル事業の実施後、他の小学校を含めその必要性の有無を検討していきたい」と話している。