埼玉新聞

 

困ったトイレ、ひどい朝…館長の素早い判断で、上尾市文化センター男性トイレにサニタリーボックス設置

  • 男性トイレの個室全17室に置かれたサニタリーボックス=上尾市二ツ宮の上尾市文化センター

 尿漏れパットや紙パンツ、おむつなどを捨てるためのサニタリーボックス(汚物入れ)を男性トイレにも設置しようという動きが起きている。上尾市文化センターでは今月19日、併設の上尾公民館、大ホールなども含めて全ての男性トイレの個室17室にサニタリーボックスを設置した。ボックスは女性用よりも大きく、汚物を入れるビニール袋も用意した。

 きっかけは利用者からの要望だった。同センターで行われたイベントに参加した高齢男性の一人が女性清掃スタッフに「履き替えた時にどうしたらいいか」と聞いてきたという。相談を受けた加藤博文館長と清掃スタッフでサニタリーボックスの導入を検討。その過程で、センター内のトイレでは、今までも度々「困ったこと」が起きていたと分かった。

 同センターの利用者の半数以上は高齢者。これまで男性トイレの個室には汚物入れがなく、紙おむつなどを使用している男性は、障害者用のトイレを利用することがほとんど。しかしボックスが小さいため、男性用の大きな紙おむつなどははみ出してしまう。また、中には個室を利用し、そのまま置いて行ってしまうケースも。大便で汚れたパンツやズボンがトイレタンクの後ろに隠してあったり、洋式便器に紙おむつが詰まっていたり。水分を吸ったおむつは膨らんで重くなるので捨てるのも一苦労。

 「朝来ると、今日はあるぞって分かるくらい臭いがひどい。でも、持ち帰るのが恥ずかしいから嫌だという気持ちも分かる」と女性清掃スタッフ。そこで、今回全ての男性トイレの個室にサニタリーボックスを置くことで、さまざまな問題解決を図った。

 加藤館長は「利用者サービスの向上のために素早く対応できて良かった。高齢者にも安心して来ていただきたい」と話している。

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