歩道から水噴き出す 水道管破裂し漏水、道路も冠水 埼玉・所沢 1979年に埋設の管、老朽化で腐食か 周辺で断水や濁り水 市は給水車を派遣
24日午後1時45分ごろ、所沢市松が丘の道路脇の歩道から水が噴き出しているとの通報が相次いだ。上水道管が破損して漏水が発生し、一時周辺の道路が冠水した。市は管の老朽化が原因とみて、復旧工事を実施。断水が発生したため、市は給水車を派遣した。
市上下水道局によると、破損したのは歩道の下に埋設された上水道管で、口径300ミリのダクタイル鋳鉄管。1979年度の埋設で老朽化による腐食が原因とみられ、亀裂が入っていた。市は40年経過した水道管の更新をしており、当該の管は2025年度に入れ替える予定だった。
現場で復旧作業に立ち会った市上下水道局員によると、消防からの連絡を受けて、現場に駆け付けた際、水が道路脇から高さ数メートルにわたり噴き上がっていた。工事業者らが仕切り弁を閉め、水の噴き上げは収まったものの、周辺世帯で断水や濁り水が発生した。市は「濁り水は飲まないでほしい」と呼びかけている。
■断水、濁り水発生
「数十年住んでいるが、こんなことは初めて」「水の貴重さを改めて感じた」。復旧作業で仕切り弁を閉めたため、現場周辺の20世帯が断水。住民らは現場に待機した市の給水車に三々五々、飲料水などを求めて訪れていた。
午後5時過ぎごろ、現場の給水車に空のペットボトル数本を持参した同市松が丘2丁目の無職男性(80)は「こんなことがあるんだね。水が道路から2、3メートル噴き上がっていたので、水が出なくなると思っていた。トイレ用にもらいに来た」と話した。
現場から約100メートル離れた同市松が丘1丁目の無職男性(74)は「自宅で洗濯物を干していた際、水が噴き上がっているのを見て漏水事故が分かった。今は自宅の水が黄色に濁っており、お風呂や飲料水用に水をくみに来た。水の貴重さを再認識した」とため息交じりに話した。