埼玉新聞

 

夏の味覚に甚大被害 トウモロコシ、枝豆…ひょうで1千万円超の損失も 上里の小学校でガラス53枚被害

  • ひょうで割られた窓ガラスをブルーシートで覆って応急措置をする教諭ら=3日午前、上里町立長幡小学校

  • 2日に発生した強風とひょうの影響で被害を受けたトウモロコシ畑。突風の影響でトウモロコシの茎が倒されていた=3日午後4時ごろ、深谷市

 県北部を中心に、ひょうが降るなどした2日夜、上里町の小学校では校舎の窓ガラス53枚が破損。深谷市では収穫直前のトウモロコシ畑が打撃を受けた。一夜明けた3日、休校となった学校では教職員が廊下にたまった水を雑巾で拭き取り、ガラスの破片をかき集め、破損部分をビニールシートで覆うなど応急処置に追われた。

 上里町立長幡小学校(浜名博昭校長、全児童数186人)によると、2日午後6時ごろ黒い雲が見えると雷が鳴って雨が降り始めたという。雨がひょうになり、風も出てきた。ひょうは一気に大きくなり、瞬く間に辺りは降ってきたひょうで真っ白。1メートル先も見えなくなったという。

 ひょうが窓ガラスに当たり始めると、ガラスが音を立てて割れ始めた。廊下で様子を見ていた教諭も職員室に戻って避難。浜名校長は「竜巻の中にいるみたいだった」と振り返った。教諭らが駐車場に止めていた乗用車もボンネットと屋根がひょうの影響で無数にへこみ、うち1台はフロントガラスにひびが入った。

 浜名校長も「子どもたちのいない時間帯で不幸中の幸いだった。いつ来るか分からないので、災害対策を新たに考えたい」と驚きを隠せない様子だった。

 深谷市で約15年、トウモロコシ畑などを営む「ヤマニファーム」代表の山田豪さん(46)は「こんな被害になるとは」と表情を曇らせた。山田さんによると、ひょうはペットボトルキャップぐらいの大きさだったという。15~20分ぐらい降り続き、風も強かった。ひょうと突風が去った後、畑を見に行くと、突風の影響でトウモロコシの茎が倒れ、ひょうの影響で葉が落ちて身に傷がついていた。

 同社には、計2万4750平方メートル(7500坪)のトウモロコシ畑があり、約7万5千本のトウモロコシが育てられている。今月6~7日にかけて約4500本のトウモロコシを収穫し、全てを7月上旬までに収穫する予定だった。山田さんは今回の被害により「最大で1千万円以上の被害損失になりそうだ。コロナで不況の矢先の被害。会社の体力が持つかも分からない」と肩を落とした。

■作付け直後の枝豆茎折れる 杉戸、3日にもひょう

 埼玉県内では3日午後、東部地域にひょうが降り、杉戸町では作付けしたばかりの枝豆の茎が折れるなどの被害があった。同町では、午後3時20分ごろから約15分にわたって1・5センチほどの大きさのひょうが激しく降り続いた。

 町内の農業生産法人が所有する農地では、同日作付けした4千本の枝豆の半数ほどの茎が折れた。影響で1~2割ほど減収になると見ている。

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