埼玉新聞

 

目標は「日本人初」 11歳山田さん、国際ピアノコンクール2大会制覇 「希望の光に」父と演奏活動も

  • 川越市の川合善明市長(右)に国際ピアノコンクール1位を報告した山田凛仁さん(中央)と父隆広さん=3日、埼玉県川越市元町の同市役所

 川越市立川越小学校5年生の山田凛仁(りひと)さん(11)が3日、川越市元町の同市役所を訪れ、川合善明市長に国際ピアノコンクール2大会の1位を報告した。山田さんは「ショパンコンクールで1位になるのが目標」と、日本人初の快挙を夢見ている。

 山田さんはジュニアや若手の演奏家を対象として、オンラインで行われた2月と3月の国際ピアノコンクール2大会で、いずれも年代別1位を獲得。一つのコンクールでは全年代を通じて2人が選ばれたグランプリに輝き、5月にオーストリアのウィーンで開かれたコンサートに招かれ欧州デビューを果たした。コンサートでは、コンクールでも演奏したドビュッシー作曲のピアノ独奏曲「喜びの島」を披露。大きな喝采を浴び、「たくさんの拍手をもらってうれしかった」と喜ぶ。

 父隆広さん(41)は、川越市クラシック演奏家協会会長を務めるピアニストで作曲家。山田さんは音楽や楽器に囲まれた環境で成長するうち、5歳から自然とピアノを弾き始めたという。現在は、平日3時間、休日6時間の練習を欠かさない。隆広さんのコンサートにも出演し、既に演奏活動を行っている。山田さんは「お父さんと一緒に弾くのは楽しい」とほほ笑む。

 川合市長は「世界でも第一人者となれるよう頑張ってください」と激励。隆広さんは「球技もやっているし、料理では包丁も握らせる。音楽だけに偏らず、今はいろいろなことに挑戦して感受性を育てるのも大切。ドイツ語で『光』を意味する名前『凛仁』のように、人々の希望の光になってほしい」と願った。

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