埼玉新聞

 

古典を「わが事」として表現 朴ロ美(※ロ=王ヘンに路)演出「平家物語」

  •  朴ロ美(※ロ=王ヘンに路)

     朴ロ美(※ロ=王ヘンに路)

  •  朴ロ美(※ロ=王ヘンに路)
  • 「平家物語 胡蝶の被斬」

 芝居と朗読、舞踊で織りなす舞台「平家物語 胡蝶の被斬」が3月14~17日、東京都渋谷区の新国立劇場中劇場で上演される。演出を担う俳優・声優の朴ロ美(※ロ=王ヘンに路)は「800年前の時代を懸命に生きた人たちの魂をよみがえらせたい」と意気込む。

 平家物語は12世紀末の平家一門の興亡を描いた軍記物。「栄華を極め、滅亡した人々の悲しみが言葉化された古典です。今を生きる観客に『わが事』として表現し伝えられる出演者、制作陣がそろいました」と胸を張る。

 先輩声優の羽佐間道夫に背中を押され、平家物語の舞台化に携わることに。読み込むうちに「現代と同じだ」と痛感したという。「武士だった平家が貴族のような立場になったところで崩れ落ちた。栄光から失落する盛者必衰の事例を今、私たちは目の当たりにしています」

 平家物語と向き合うことで生まれる希望があるのではと朴は語る。「平和で豊かな社会になるまでに多くの血が流れ、命が失われてきた。そういう歴史の上に生きていることに皆で気付く機会になったらいいですね」

 出演は梶裕貴、山寺宏一ら。問い合わせはサンライズプロモーション東京、電話(0570)003337。

ツイート シェア シェア