埼玉新聞

 

フレンチ×精進料理 「お寺を近しい存在に」精神鎮め、旬の地元野菜を堪能 川越の最明寺、調理も僧侶

  • 川越産の夏野菜を主に使ったフレンチ精進料理

  • デザートを参加者に提供する折橋大貴さん=2日、川越市小ケ谷の最明寺

 食材に肉を使わない仏教の精進料理とフランス料理を融合させた「フレンチ精進料理の会」が2日、川越市小ケ谷の最明寺で開催された。会には県内外から28人が参加。座禅で精神を鎮めた後、旬の味覚をふんだんに盛り込んだメニューを楽しんだ。

 2019年から始まり、この日は8回目の実施。最明寺副住職の千田明寛さん(34)が「地元野菜のおいしさを知ってもらい、お寺をもっと近しい存在に感じていただきたかった」と企画した。

 調理を担当したのは、神奈川県箱根町の常泉寺で副住職を務める折橋大貴さん(33)。折橋さんは僧侶の傍らで、町内のオーベルジュ(宿泊レストラン)でフレンチの料理人としても働いている。

 今回は川越産を中心とした県内の夏野菜をメインに使い、トマトソースを添えたジェノベーゼパスタやソラマメの白和え、新ジャガイモときのこの冷製ポタージュなどを提供した。

 折橋さんは「精進料理には調理法の制約がないので、和食ではなくフレンチにすることもできる」と言う。

 参加者は、あまり体験できない食の世界を堪能。東京都大田区の野口浩美さんは「素材の味が生きていた」と喜ぶ。市内の自営業中尾景子さんは「アイスもなかは抹茶ソースの香りとマッチしておいしかった。また参加したい」とほほ笑んだ。

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