小麦、ネギ、ウメも被害…過去最多38億円超 埼玉の降ひょう「特別災害」に 影響22市町「支援の輪を」
大野元裕知事は14日、臨時で記者会見し、今月2、3日の降ひょうによる農作物などの県内被害額が、15市7町で38億4867万円に上ることを明らかにした。県内の降ひょう被害では過去最多額。大野知事は今回の被害を条例に基づく特別災害に指定して支援する方針を示し「それぞれの事業で極めて深刻な影響が出ている。まずは生産者に対しお見舞い申し上げたい。来年以降も生産を続けられるよう体制を築きたい」と話した。
県は今回の降ひょう被害を県農業災害対策特別措置条例に基づく特別災害に指定した。指定は条例が1978年に制定されて以降、37回目。被害が報告された県内15市7町のうち、さいたま、熊谷、加須、本庄、春日部、羽生、深谷、久喜、蓮田、吉川、白岡、美里、神川、上里、寄居、宮代、杉戸、松伏の各市町を条例に基づく支援対象地域とし、市町村と連携し生育回復用肥料購入補助、代替作や次期作用種苗、肥料購入の補助、農業災害資金の融資に対する利子補給の補助などを行う。
また、知事は条例に基づく支援対象地域以外についても、県として支援できるよう対応を検討すると表明。必要な補正予算案を県議会6月定例会に提案する方針も示した。
今回の降ひょうによる農作物被害面積は約1844ヘクタールに及び、小麦、スイートコーン、ネギ、ナシなどで被害額は30億1469万円。ウメ、キウイフルーツなどにも被害が出た。また、ビニールハウスなど農業用生産施設被害は546戸、8億2504万円で、被害総額38億円超は、これまで最多だった96年7月の約31億3千万円を大きく上回った。
知事は被災農作物の販売会が各地で行われるなど、県民の関心が高まっていることに触れ「可能な限り県産農産物を購入いただき、支援の輪を広げていただきたい」と県農業の復興を呼びかけた。