埼玉新聞

 

疑念…埼玉県PTA連、日本PTA協を退会へ「不正常な状態、会員に説明できない」 臨時総会で正式決定の予定「全国組織は必要だが…」、県PTA連からの退会も多く足場固めへ 各PTA連も退会の方針、今後さらに増か

  • 【地図】埼玉県(周辺アリ・広域)縦横4対3(直し)

    埼玉県PTA連、日本PTA協を退会へ

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 県内公立小中学校のPTAでつくる「埼玉県PTA連合会(県P連)」(石井大晴会長)は7日、さいたま市大宮区で理事会を開き、「日本PTA全国協議会(日P)」から本年度末で退会する方針を決めた。月内に、学校ごとに組織される各校PTAの意思を再度確認した上で臨時総会を開き、正式に決定する。石井会長は「報道されている日Pの不正常な状態や疑念を会員に説明できない。県P連からの退会も多く、足元を固めたい」と話した。

 石井会長は理事会で、これまでに実施した日P退会の賛否を問う全単位PTAアンケートの結果を報告。174校中105校から回答があり、賛成100、反対5で、9割以上が賛成だったとした。「昨年末から何度も協議を重ねてきた。全国組織は必要だが、休退会しているPTAも含め、県内での交流を大切にしたい」と語り、協議した後、日P退会を賛成多数で決議した。

 日Pを巡っては、昨年7月、理事や参与を務めた元幹部で、さいたま市PTA協議会の元会長が日P会館(東京都港区)の修繕工事費に絡む背任容疑で逮捕され、業務上横領や背任罪で起訴された。同12月にはずさんな組織運営が改善されていないとして、内閣府から是正勧告を受けている。

 背任問題などを巡り、都道府県や全国政令市のP連(協)の日P退会が相次ぎ、昨年度までに東京都(小学校)、さいたま市、千葉市が退会。本年度末までに千葉県、静岡県、相模原市が退会方針を決めている。岡山県は本年度末で解散する。現在、退会へ向け動いているのは、埼玉県のほか、群馬県と横浜市。日P関係者によると、今後さらに増える可能性があるという。

 県P連によると、現時点の県P連加入は、16市町174校。秩父市や桶川市など3市7町が本年度末で退会や休会を決めている。新年度は春日部市や熊谷市など5~6市町となる見込みで、組織率は1割を切る見通し。
 

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