<大宮セブン>驚愕の関係を知った日 スベり続け「都落ち」大宮脱出を願った日々…今は/マヂカルラブリー
笑いの聖地を「大阪」から「大宮」に―。大宮ラクーンよしもと劇場(埼玉県さいたま市大宮区)を拠点に活動し、7組の芸人で構成する「大宮セブン」。今春からテレビ埼玉などで初冠番組「それゆけ!大宮セブン」が放映されている。本企画では、大宮セブンの全7組のインタビュー記事を掲載する。今回は、2014年の結成当初から大宮セブンに所属する「マヂカルラブリー」の野田クリスタルさんと村上さんに大宮への思いなどを聞いた。
―大宮セブン加入当時を振り返って。
野田 定期券を買って大宮に通う生活が始まるのかと思いました。正直「居づらい」という気持ちが強かったです。大宮セブンというくくりだけで、舞台に立たせてもらっていたので。ネタは全くウケず、テレビで活躍する芸人に紛れて出演しているだけでした。
村上 メインロードから外れた「都落ち」のような感覚でした。新宿の劇場(ルミネtheよしもと)にはもういらない存在なのかと。大宮に来てからはライブだけでなく、地元の餅つき大会など地方営業のような仕事が増えました。芸人はいろいろな仕事があると改めて気付かされましたね。
―ターニングポイントになった時期は。
野田 17年のM―1決勝進出。当時はネタを認めてもらって、一日でも早く大宮を抜け出したかったです。まさに踏ん張り時で、一筋の光が見えている場所がM―1決勝の舞台でした。結果は最下位でしたが、少しずつ芸人として飯が食えるようになってきましたね。
村上 17年は大宮セブン内でもメンバーなどに動きがあった時期。大宮の劇場でスベり続けても、とにかくネタで勝負していました。M―1決勝進出以降は、新宿などでの出演機会も増えたと同時に、「大宮愛」も強くなり、大切な存在になっていました。
―大宮という街のイメージについて。
野田 大宮と浦和が想像以上にバチバチでした。大宮アルディージャに営業で行った時に「浦和の名前は絶対に出さないでください」とくぎを刺されて。プロレスじゃなくて本気で対立しているのかと。
村上 夢を追う若者を応援してくれる街。清水園やスーパーオートバックス大宮バイパス店の店長は特に義理人情に厚いです。売れてない自分たちを呼んでも何の得もなかったはずなのに、営業に呼んでいただいて、心の底から恩返しをしたい方たちです。
―大宮セブンで活動したいこと。
野田 大宮の街にもっと根差したい。大宮駅に降り立って、どこにも大宮セブンがいない。せめて劇場横の商店街(一番街)には大宮セブンの看板を置いてほしい。せっかく大宮駅に来たから、ついでに劇場に寄ろうかなと思える場所にしたいです。
村上 ぜひ大宮の女子高生や地域の方々など、劇場へ気軽に足を運んでもらいたいです。あと大宮氷川神社の豆まきが復活したらまた参加したいです。活動して約8年たつので、例えばさいたま市の観光マップなどにも登場できたらうれしいですね。
―埼玉県民にメッセージを。
野田 大宮セブン、そして大宮ラクーンよしもと劇場。ほとんど毎日やっています。せめてそれだけでも知っていてください。
村上 大宮を大阪に次ぐ日本第二のお笑い都市にしたいと思っています。これからも応援よろしくお願いします。そして、この記事を見ている行政の皆さま、何かしらのお仕事お待ちしております。
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マヂカルラブリー 野田クリスタルさんと村上さんのコンビ。2007年結成。14年大宮セブン加入。M―1グランプリ2020で優勝し、第16代王者に輝く。
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「それゆけ!大宮セブン」は、テレ玉で毎週火曜日午後11時半から、BSよしもとで毎週水曜日午後11時から放映中。